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金棒と血の塊


凛花&颯斗サイド


2人の背後に聳え立った高い壁_______


雲を突き破るような長身。


山の様な体。



颯斗は、後ろへ後退りをした。


「逃げる気?」


青ざめた顔を凛花に向け、頭を下げた。


「ごめん。無理、勝てるわけねぇよ。」


凛花は、嘘だ……、と呟き颯斗の袖を掴んだ。


「ねぇ、冗談でしょ!?

そうやって、嘘だ!って言って私をからかうんでしょ?」


しかし、何も答えない。


袖を掴んだ凛花の手に、自分の手を重ね離す。


「あっ………」


「本当。無理だから、俺らだけじゃ勝てるわけない。

闘うなんて、不可能。」


『怒り』や、『悲しみ』の気持ちが、心の中で交差する。


その気持ちで、心は崩壊していた。


ガラガラと、音を立て崩れていく。


割れた心の隙間に悲しい涙が流れ込む。


チクチクと傷んだ。


「不可能ぉ……なんて、誰が決めるのぉ?誰も決めないよ?」


「不可能は、『自分』が決めるんだよ。」


何だろう………


今回は、勝てる気がしない。


心が弱ってるから、勝てる気がしない……?




泣いていた凛花は、背後から飛んでくる金棒に気が付かなかった。


「凛花!うしろっ!」


颯斗は、跳んだ。


腕を伸ばし、倒す……


凛花は、静止したまま動かない。


「あ"あ"あ"~~!」


あと、数センチ!……


届け!届け!間に合え!


目の前に、凛花がいる。


右手を凛花の肩を押し、飛ばす。


「!……颯斗!」


ザザァザザ……


体が、砂の上を滑って進む。


服の中に砂が!


「ぅっ………」


目に、砂が飛び込む。


体に小石が刺さる。





「間に合った!」


颯斗は、へなぁ~と座り込んだ。


けれども、頭の背後で何かがうごめく。





ガツンッ





颯斗が頭に衝撃を感じた時既に空中だった。


紅い物が、空に舞っている。


首が曲がり、痛みが身体中に響く。


「えっ!?」


手を頭の後ろに持って行き、手のひらを覗くと赤くなっていた。


生温い。


さっきの衝撃=金棒が当たった衝撃


颯斗は、狼の姿で着地。


「俺、生きてるよな……?」


頭、大丈夫かなぁ。


「カハッ」


喉に何かを感じ吐き出すと、赤いスライムのような液体が飛び出した。


血の塊!?


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