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guillotineの刑

「釜飯って……」


「分かりやすいだろ?その方が。」


なんだ、この態度。


「確かに、そうですけれど、」


気がつくと、錆びた鉄製の大きな扉が、そびえ立っていた。

扉の、鍵穴には、張り紙があり、当然の如く、


「関係者以外立入禁止」


と書いてあった。

また、しっかりと錠が内側からと、外側からかけられた、2重ロック。

中の人間の、助けがないと、入れないようだ。


「ちぇっ。ケチ」


颯斗は、そう呟いたものの、


「ならば、無理やりでも、入って見せる!」


狼に、変幻して、扉を蹴り破った。

ドゴンッと音を立て、扉は倒れ、砂煙がボワッと上がる。

変形した扉は、よく見ると、血だらけだった。

元は、黒い扉だったようだが、血が付着し、赤茶色になっていた。

錆と、血の色か……


「凛花、先行け。もう、疲れたから、休憩」


ドスンと、骨が散らばる地面に腰を降ろし、颯斗は休憩を始めた。

え?

この先を、一人で行けと?


「いやっ、無理だよ!この先、何があるか分からないのに。」


ん?

そうか、千里眼で見れば……この先何があるかが分かるかもしれない。


じぃっと、扉の奥を見つめる。

何か、小さいものが、蠢いている。

もっと、近く、近くで見なければ………



「うえっ!」



蠢いていたのは、人間。

今まさに、刑が実行されようとしていた。


人間と、共に見えたのは、



『ギロチン』



断首装置だ。


今時、こんなものがあるのだろうか。


逃げることが、できないように、しっかりと手足が固定され、

身動き一つ取れない。


もう、あの刃物が落ちてくることを、待つしかできないのだ。


ギロチンとは、

フランス革命において受刑者の苦痛を和らげる人道目的で採用され、

以後、フランスでは1792年から1981年まで、使用された。


また、ギロチンのような断首装置の原型は、13世紀のヨーロッパには、

すでに存在していた。


マリーアントワネットも、ギロチン処刑された‥……ハズ。




って、今から、処刑な訳!?


嫌だよ!


見たくない!


慌てて、目を閉じる。


けれども、千里眼が発動してしまう。


刃物が、首に向かって、落ちてくる。


肉に、刃物が食い込み、血飛沫が上がる。


ゴロンと頭部だけが、切り離され地面に落下する。


パクパクと、口を動かし、何か言いたげな頭。


けれども、時間の経過とともに、頭は静かになる。


大理石の床が、紅く染まる。


肉片が、落ちた床。


ピンク色の、首の切れ口。




「凛花、大丈夫か?」


はっ、と凛花は目を開けた。


視界が揺らぐ。


ギロチン……は?


「驚いたんだからな。いきなり倒れるし。」


ほぅっ、と溜息を颯斗はついた。


「ごめん………ギロチン、見ちゃったから。」


「ゲッ。マジ?」


颯斗は、顔を青くした。


そういう、グロい話、苦手なのかな?


一度、颯斗が死んだ時、グロかっタケレド。


人間、潰されたからね。


血が、飛び散って、肉が………ああ、思い出したくない。




「「「「ぎゃああああああああ」」」」


誰かが、叫んだ。


声は、建物の中からしてきた。


きっと、またギロチンの刑が実行されるんだ。


ひえええ。


恐ろし、恐ろしい。



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