表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
62/204

呼びかけに応えて!

「颯斗は動かないで!」


凛花は、颯斗を叱る。

というより、お願いしている感じだ。


「傷口、開いたらどうするの?

病院ないからね?」


眉間にシワを寄せ、凛花は話続ける。


「守ってやった奴に、

その口の聞き方はあるかよ!」


赤く染まったハンカチを絞りながら、颯斗はガミガミ喋る。


「守ってくれたのは、感謝してるよ!

だからこそ、心配してるだろ!」


颯斗は、ふぅーん、と言うと立ち上がった。


「まぁ、いいさ。

先に、あいつを倒そうじゃねぇか!

傷口なんか、もう痛くねぇ。」


伸ばした人差し指を、ビシッとガイコツに向ける。


「噛み砕いてやろうか?」


シュウウウウウウ、と白い煙と共に、

人間の颯斗は姿を消し、

白銀の狼が現れた。

颯斗は、ジュルッ、と舌なめずりをする。


「いいぞー!颯斗、やっちまえ!」


後ろから、声援………


「凛花も、戦え!」


「「か弱い乙女に、戦えというのか?」」


「どこが、乙女だよ!」


ん?、と凛花は首を傾げる。

颯斗には、嫌な予感しかしない。


その時、


「オォーイ!凛花!颯斗!遅くなってごめん!」


聞き覚えのある、声。


凛花の目から、涙が溢れ出した。

ボロボロこぼれて行く。








「トゥウジィー!」


かすれた声が、出てくる。









隙を見て、支配人は、凛花に近づいた。

凛花を、今、殺してしまおう。

またとない、チャンスだ。


カチャ____________





「凛花!後ろ!」


真っ先に、気がついたのはトウジだった。

凛花は、ハッと頭を動かし、支配人を探した。


どこ………



ズブシュッ




鋭い、何かが体を貫いた。


「「「「「「「あ"っ!」」」」」」」


地面に、ガクンと崩れ落ちる。


「りぃんんかぁぁぁぁぁぁぁ」


体が、地面に吸いつけられるように倒れて行く。


___________________一体何が起きたの______________________________



頭から、倒れた凛花の意識は、遠のいて行った。






「凛花………!」


颯斗は、狼に変幻して、アイツの頭に噛み付いた。


「ハハハー何をしているのですか?

早く、助けないと、あの子、シンジャイマスヨ?」


バキバキーーーー


そんな、音がしてさっきまで、

颯斗の噛んでいたものは、消え去っていた。


地面と、口の中に骨が散らばっている。


散らばったものは、口の中を刺し、液体が流れ出ていた。

颯斗は、舌で撫で、痛みを消した。

白い物体を、吐き出し、凛花に駆け寄った。


「おい!起きろ!」


ピクリとも、動かない。


「おい!おい!」


呼びかけにも、答えない。

どうすれば、いいんだよ………

なんで、こんな事に………







評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ