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責めるのは自分

ミオウ達ーーーー


「ミオウ様!ライトが無事で良かったですね!」


レンは、興奮してライトの頭を撫で続けた。

怒ってくれた方が、良かった。


__________________こんな気持ちになるなら。


「レン……怒らないの?」


声を必死にミオウは絞り出した。

すると、レンは、怒らず優しく微笑んだ。


「なんで、怒るのですか?怒る必要、ないでしょう?ライトが無事で良かったじゃないですか。」


どうして、そんなに優しくするの?


私が、姫だから?


弱いから?


「怒る事は、意味のない事だと思います。ただ、徒に(いたずらに)体力を使うだけです。」


それだけ言うと、レンはまた黙った。


優しくしないで欲しい……


「レン、優しくしなくてもいいんだよ?もっと厳しくてもいいんだよ?」


「………俺の勝手です。俺のやりたいようにやってるだけです。」


レンは、いつもの ふにゃぁ としたレンではなかった。


もっと、頼りになる……


「レン……」


レン……


私は、本当のレンを知らなかった。


いつも見てきたレンだけで、勝手にミオウの中で……違うレンという人間を創っ

ていたのかもしれない。


中身を知らずに上辺で、どんな人間なのか判断していたのかもしれない。


私は、馬鹿だった。


長い間、城の中に閉じ込められていた私は、分かったつもりで何も分かっていなかった。


ただ、人から聞いたことを繰り返していただけだった。


習った事を繰り返し口にしていただけだったのだ。


だから……『本当のその人物』を知れていなかったのだ。

知っているつもりでも……


身近な人間なのに……


幼少期からずっと一緒だった。








でも、レンが『第1期護衛隊』に入ってからすっかり話さなくなってしまった。


それは、13歳の頃。

ここでは、13歳から護衛隊に入ることが可能だ。

普通の世界では、中学1年生。



そこで、たくさんの訓練を積む。

その後、真の護衛隊として派遣される。







その、訓練は、遠い何処かの海の上の海上施設で行われるそうだ。









帰ってくるのは、いつになるのか分からない。













そこへ行ってしまったせいかもしれない……レンを間違って知ってしまったのは。






別に、そこに入ることを自ら志願したレンを責めているわけではない。


責めているのは、










_________________________自分自身だ。



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