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生きて帰るんだ


トウジ情報


「まだ・・・来ない。忘れてるのかなぁ・・・」


青い草が刃物に変化して体を斬りつける。


「セイはどうなったんだろう……」


傷口をこすりながら、歩き続ける。


果てしなく草原は続く。


歩いても、歩いても草が続く。


目の前から緑が消えることはない。


「疲れた……」


その時、草原の向こうにセイがいるように見えた。


白いシャツを来た男だ。


ユラユラとうごめく影。


トウジは、走り出した。

でも、その影は追いかけても、追いかけても、追いつけない。


「蜃気楼、か………」


ガクリとトウジは、肩を落とした。

「いるわけないよなぁ………」


ギュッと青い草を踏みつけた。

ジワリと緑色の汁が滲み出る。


「誰か………」


目に涙が溜まり、視界が歪む。

(泣いたら駄目だ。)


ギュッと目を瞑り、雫を拭いた。


頭の中に、仲間達の顔が浮かぶ。


凛……颯斗……来夏……



「生きて……帰るんだ。」


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