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意識


「紅!」


気が付いたときは、遅かった。


もう、紅の姿はなかった。

一体、どこへ行ったのか。

颯斗は、そのまま飛行し続ける。


「紅・・・」

「ほっとけ。」


颯斗は、助けに行く気はないようで…

「俺、疲れたから地上戻る」


真っ逆さまに落ちていった。

「ギャァァァアァ」


凛花の悲鳴が木霊する。

来夏は、ぎゅっと目をつむっている。


風が颯斗にしがみつく凛花と来夏を引きはがそうとしている。



「ウガガガガガガガガガガガガガガガガガ」


メキメキと体が剥がれていく。

「おちぃるぅ!」

「ヒッ!」

「落ちんなよ!もうすぐだから!」




気が付くと目の前には、道路が迫っていた。



ぶつかる!

------そう、思った。





でも、ぶつからなかった。


強張っていた顔が緩む。

ゆらりと体が揺れた。



倒れる



空が流れていくように見える。


雲が動いていく時間が早送りになったよう。


世界が丸くなって・・・スノードームのなかにいるみたい。




「おい、大丈夫か?」


少し馬鹿にしたような口調で颯斗は凛花に問いかけた。


あっ、魂何処かへ行きかけてた。

来夏も、ふっと笑った。


「だっ・・・大丈夫。」

ひきつった笑顔を颯斗に向ける。


「・・・そっか。ならよかった」

颯斗は、白い歯を見せて笑った。


「紅・・・」

凛花は、そう、一言呟いた。

来夏は、ん?と少し反応しただけだったが、

颯斗の手がピクリッと動くのが凛花には見えた。

(意識してるんだ・・)



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