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100分の1
「よぉ~し!」
颯斗は、森の中を突き抜けて進んでいく。
「ヒャッホー!!」
颯斗は、くるくる回転しながら飛ぶ。
目が回るぅ~
「イエェーイ!来れるもんなら追いつけよぉ~」
颯斗、調子乗りすぎ・・・
ピキピキと支配人の骸骨の顔にヒビが入る。
「ヒヒッ!おせぇな!」
颯斗はまた、加速する。
「イエェイ!狼に追いつける動物なんてこの世にいねぇ!」
ゲェェ!回転のしすぎで吐き気する・・・
酔っちゃった・・・
紅も顔が真っ青。
「ひゃっほー!酔うなよ!まだまだ、これからダァ!」
「え・・・」
凛花の顔から血の気が引いた。
紅は、吐いている。
「まだまだ・・・?」
「おう!こんなの最高時速の100分の1だぜ!」
「ヒャ・・・100分の1?」
「行くぜぇ!」
人の答えも聞かずに、いきなりスピードを上げた。
「ギョギョ・・・」
風で体がバタバタ揺れて、人間鯉のぼり状態。
「もう・・・無理」
「何言ってんだよ!これで駄目なら、支配人から逃げ切れないぞ!」
「そんな・・・」