25/204
白銀の狼
話がバラバラ
「あいつらと・・・違う?」
何なの!?みんなと違うって。
「俺は、一般人なんかじゃねーよ!」
いきなりそんなことを言った。
「ハァ!?」
「俺は、狼に変幻できんだよ。」
「何の冗談?」
しかし、颯斗は、真剣だった。
「俺、ずっと隠してたんだよ!」
「意味分かんない!そんなの無理だよ!!」
凛花は、事実を受け入れられなかった。今まで、幼馴染だった颯斗が『狼』!?
この世界は、何でもありだけど・・・
凛花は、しゃがみこんだ。
「今から、変幻すっから顔あげろ!」
「やだよ・・・颯斗じゃなくなるから。」
うつむいたまま、凛花は泣き出した。サイテーだよね、私は。
「俺は・・・いつでも颯斗だよ!」
ゆっくりと顔を上げるーーーー
顔を上げると、雪のような、白銀の狼がいた。
「颯斗・・・」
「俺は、狼だ。別に、嫌いになったなら今、去ってもいいんだ。」
「どこにも行かない。」
「!?」
狼の口元がピクッと動いた。
「狼になっても、颯斗は、颯斗だった!」
狼になっても、颯斗は颯斗!優しい颯斗!
「良かった・・・信じてもらえて.」
安心したのか、元の人間姿に戻った。
「凛花、みんなを探すか?」