人外×少女!?
「マジありえねぇわ」
凛花は用意された椅子に腰掛け、天井を見上げる。
今いる場所は戴冠式が行われる……なんて言うっけ?
えっと………協会……違う!えっと……とにかく会場横の廊下!
廊下には生首……じゃなくて、鹿の剥製って言うのだっけ?が飾られている。
「なんかこのワンピース、普段スカートとか履き慣れてないから、下がスースーして嫌なんだけど」
頭に手を当て、
「このメイドがやった髪型、巻き髪とか髪痛めそうだし嫌なんだけど」
と、グチグチ呟きながら式の開始を待つ。
もしもレオウが飛び込んで来たら、サッと場を譲る予定だし。
まぁ、レオウが来たら入れ替わって、さっさと着替えて片付けてトンズラしてもいいと思うんだけど。
ふわぁ、と欠伸をしているとザワザワと周りが騒がしくなってくる。
その音は会場内から聞こえてきた。
凛花は椅子から立ち上がり、会場内をチラリと覗く。
すると……。
「ぎょえ!」
式の参加者は人間+人外だった。
しかも、人間と人外は普通に話をしている。
獣と人間と、魚人と、妖精____________
「何なんだよ、この国は」
凛花は後退りして、会場に背を向け走り出した。
こんな世界にいてられっか!
さっさと風ヶ丘に戻って、涼香(1話参照)を探してやる!




