姫を守る
「おーい、レン!」
紅は、レンを呼び出した。
「何か?」
「なぁ、お前、強いのか?」
「わざわざ、呼び出して聞くことですか?」
「まぁ、いいだろ?」
「強いですよ?姫様の護衛隊長に選ばれたくらいです。」
ふーんと紅は笑う。
「何を倒した?」
「サメです………確か、人食いザメ……の子供」
「大人は?」
「無理に決まってるじゃないですか!」
紅は、焼いていた魚をひっくり返した。
魚の油が落ち、炎が高くなる。
「んじゃ、姫さんは守れねぇな。」
レンの頭にかァァと血が上る気がした。
「何を言ってるんですか!」
「お前の国の戦闘能力は低いと言ってるんだ。」
「えっ・・・」
「大人も倒せない奴が、隊長ならその部下の奴らは何を倒せんだよ!」
「あっ・・・」
確かにそうだ。紅は、間違ってなんかない。
僕達の国がおかしいんだ。
何やってんだ・・・僕の国は。アラーヌ王国は。
姫一人も守りきれないかもしれない奴らばかりじゃねーか。
レンは悔しかった。
手に力が入る。
「どうしたら・・・いいのでしょうか。」
「そうだな、何か、強い国と戦うことじゃねーか?」
紅は、魚にかぶりついた。
「強い国・・・」
「俺は、お前らの国の事は知らん。あとは自分で考えろ。」




