死にたく無い!死にたく無い!
「そうですね・・・どんなゲームをしましょうか」
支配人の骸骨野郎は、首を曲げて凛花に問う。
「勝手に決めればいいよ」
腕を組み、イライラしながら凛花は天井を見上げた。
「では、いつものトランプゲームで」
支配人は、テシタにトランプを用意させる。黒いパーカーを着た手下が準備をしている。パタパタ、と慌ただしく動き回る。手下は支配人にトランプを渡し、帰って行った。
「ルールは、分かりますよね?数字が大きい方が勝ちのルールです」
そう言うと、凛花の答えも聞かずトランプをテーブルに置いた。
(確か、5枚カードを引いて・・・)
2人は、カードを5枚ずつ引き抜いた。
「1枚目行きます」
場にカードを裏返して出す。2枚のカードが向かい合い、睨み合う。
「では、裏返してください」
骸骨の合図で凛花はカードに爪を引っ掛け、裏返した。
凛花は、2。支配人は、クイーン。
まぁ、そうなるだろう。2が勝てるカードは、1しか無いわけだ。
でも、まだ1枚目
「一歩リードです」
支配人は、嬉しそう。
「2枚目行きましょう」
2人が場にトランプを置く。
「裏返してください」
支配人は、11,凛花は、2。
支配人のカードは、理想手だ。
数字の大きい有利なカードばかり持っている。
残りは3枚。
8・9・4
トランプは、1~10のカードが各4枚ずつ。
キング~クイーンは、各マークに一枚ずつ。
それで、16枚。
トランプは、56枚、全部で。
それらが出る確率は、56分の16の割合。
約28%の確立。
72%は、こっちが勝てる。
「3枚目いきましょう」
8にするか。
カードを指で摘み、抜く。
そして場にカードを出す。
「ふっ」
笑った!?カードを裏返すと・・・
「私は、キングです」
こいつ、分かったのか!?
凛花の表情に焦りが出てくる。
「あっ・・・」
「4枚目行きましょう」
これで負けたら・・・あとがない。
負けたら、囚われの身。
9でいこう!
「ふっ。お疲れ様でした~!」
支配人は高笑いをして場にカードを投げ捨てた。
支配人は、ダブルキング。
「そんな・・・」
でも、どのカードを出したとしても負けていた。
「負けちゃったんで、オリに入っててくださいね」
骨の指は、檻を指差す。
「嫌だ・・・嫌だ・・・」
シモベたちが腕を掴んでオリに向かっていく。
頭の中に、ハヤトが出てくる______
折に潰されて死んだ………
肉の塊が、オリからはみ出して。
赤い液体が流れ出て・・・
体は、徐々にオリに向かって、近づいていく。
(まだ死にたくない!)
きっと、紅たちは助けには来ないだろうな・・・