※本ゲームは戦略ゲームです。
やべぇな。
会場は真ん中がポツンと開いていて、そこに私と目の前の同族の青年が突っ立ってる。
ポンポン話が進んでいったのは、目の前のあの男のせいで、私と目の前の男は決闘することになった。
人形、つまり人型の決闘となるが、今持ってる武器と言えばナイフとフォークぐらいだ。
当然、それくらいで暗殺ぐらい出来るが、病み上がりな上向こうはランス、リーチの差は歴然だ。
(予定調和ってこと。)
こちらはドレスだと言うのに。
「アンナだな。あの落ちこぼれが人型になれるとは。」
「そうそう、人形派じゃないものね。で、どうしたの?格下相手に決闘だなんて。」
相手が近づいてきてるのでナイフを投げてやれば、避けられランスを向けられる。
凪ぎ払いか突き。
身軽である私は暗殺タイプなので、ナイフを構えて奴の真上から重力に従い落下する。
あまり床を傷付けたくない。
「テーブルナイフで何ができる!」
「教えるまでもない!」
ナイフを眉間に突き出す。テーブルナイフであれど金属であることには違いない。
魔法の使用だ。
硬化の魔法を使用していたのだ。
それが眉間に当たるのだからたまったもんじゃないだろう。
「なにをしてるのです!」
カイトの声とアンネの声が聞こえて、こちらにやって来る。
「アンナ!何をして!」
突然の主催者と幻獣の登場に会場がざわつくが、それを気にせずカイトは声をあげた。
「何をしていたのですか?」
「けっ、決闘です。」
カイトが私をみてきたので、仕方なく頭を下げる。
「すみません。襲ってきたため自衛のため仕方なく。」
「そうですか。顔をあげなさい。アンナ。アンネはアンナをつれてさがってください。」
「はっ。」
アンネは私の腕を掴んで会場を出ていく。それとなくケビンもついてきて、アンネはケビンをひと睨みしてプライベートルームに押し込まれる形でアンネの自室に入室した。
「す、すみません。」
「そうよ。ケビンもこう謝ってるんだから。」
アンネは眉間にシワを作ってピクピクと右ほほを震わせる。
?
「俺が怒ってんのはお前だ!どうして受けようとした?どうして俺に頼らない?」
それは、アンネはお仕事があるし、私は対応できたし?
「アンネ、お仕事があるじゃん。」
「ほぅ。警護が俺の仕事だが……お前のそれはどうなんだ?客に向けて武器を向けたのだぞ。」
そっか。
あんなんでもお客様なんだ。
そうだよ。
「まったく。お前に怪我がなかったからいいものを。あんなやつがいたら、衛兵を呼ぶんだ。」
「へ?」
「は?」
「え?わたし、お客様に刃物を向けたから怒こってるんじゃ?」
「俺は、お前が決闘をして衛兵に知らせなかったことを怒ってるんだぞ。ケビンが知らせにきたからいいものの。もうこんな――」
そっか。
よかった。これで謹慎とかだったら大変だし、色々行動ができなくなるのは不味いもん。あぁ、よかった。
「だからな。あまりアグレッシブな……って、聞いてたか?」
「うへへ、大丈夫だよ。お兄ちゃん。」
「え?い、今!」
滅多に向けない言葉でアンネを混乱させ、そのすきに部屋から抜け出して自室に駈けていく。
後日、カイトとマリーにしこたま怒られるとは知らずに。