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龍宮のお姫様のドロップ  作者: 八田硝子
2/9

☆☆

【遠ざかる背中ずっと見てる】



先を行こうとする君を

「ずっとここにいて」と

引き留めた

私は相当酷い人間で




振り払った君に

狂いそうなほど憧れているのです



【赤い靴履いてたお嬢様】



靴底が顔に触れる感覚を知っている?

知らないの?




じゃあ教えてあげるね




赤い赤い赤い靴

お嬢様の赤い靴

薄く笑った口唇と同じ

激しく熱く燃える色




足の下にいる気分は如何


そんなうれしそうな顔をしないで

不本意だわ

私の望んだものじゃない




ねえ、泣いてよ



【ある復讐劇】



あなたに与える最大の攻撃

あなたがされたら一番いやなこと

私はしようと思います




あなたのことを忘れます


ああなんて凄惨な復讐



【中にある】



爪をたて

皮膚をえぐれば

中の肉が見えるように


心をえぐれば

中の真実が見えてきますか


わからぬまま

ただがりがりと

傷は増えて



【また繰り返す】



期待しては

裏切られ

それなのにまた

期待してる


懲りないんですか

馬鹿なんですか

学ばないんですか



犬でも君より

も少し賢い



【花と星】



君が花なら

私は星



「私は結構

美しいと思うの」


そんなことを

地べたで呟き


見上げた私の

あまりの遠さに


愕然として嘆いたらいい




【人間嫌悪】



あああ人間気持ち悪い




だからあたしは

この人間の体を脱ぎ捨て

魂だけになりたいのです




【だから一歩が踏み出せないのに】



死ぬのは怖くないのです

むしろ望んでいるのです


ただ

死に損なうのは

酷く怖い


だから

「死にたかったら死ねば」

と言われても

とても困るのです




【監禁部屋】



助けて

助けて

助けて

助けて

ここから出して


懸命に

ドアを叩いて

助けを呼ぶけど

助けなんて来なくて

息苦しさに泣きそう



だけど

あたしをここに閉じ込めて

鍵をかけたのは

紛れもなくあたし




【だるまさん】



闇雲歩き回って

どこにもたどり着けない

行きたい所へ行けない

こんな足なら

落としたって

構いやしない


暗闇手を伸ばして

何もつかめない

空ばかりをつかむ

こんな手なら

落としたって

構いやしない



だるま

だるま

だるまになるわ


転んでも

起きるかも

七転八起

前向きね


でも

手も足もでないの



だーるまさんが

こーろんだ!




【天国とは】



もし天国があるのなら



あいつが地獄の苦しみを

味わっている世界



それこそ天国なのだと思います




【根腐れする】



ほら

魂の

根っこまで

浸るほど

寂しさで

いっぱいで


僕はそれで

何度でも死ねる




【ああ、】




じょうずにいきられない








【けして混ざらない僕ら】



僕らは一つになれないよ


受け入れがたい

何かがある



僕らは一つにはなれない


なのにどうして

傍にいるの




【君降る夜】



幾億の

星々を

黙らせて


今宵君降る夜



起こしたいのは

一つの波紋

その為に

何もかも

捨てたって

構わない


正しいや

正しくない

それはいらない想い

その心

指し示す

行動をしたい



重力を

全身で

狂おしく

感じながら




コヨイキミフルヨ



【「なんか」欠乏症】



欠乏する「なんか」


鉄が足りなきゃ貧血

それみたいに


欠乏してる「なんか」

そのせいで

息すんのも辛い


満ち足りたいのに

どうしても

欠乏してしまう「なんか」


「なんか」がなんだか

わかんなくて

どうしようもなく

足りない

足りない

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