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異世界から帰ると  作者: ひろゆき


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 第四章 1  ーー 再会 ーー


           第四章


            1



 異世界に飛び、一番驚いたのは坂口の豹変であった。

 普段よりも落ち着きがあり、頼りがいがあった。

 私たちがいた森も、坂口には知った場所だったらしく、近くの街に行くことになった。


「ーーよう。まさかお前とまた会うことになるとはな」


 到着した街には、大きな城があった。

 その城にとって一番の広間に、不思議と私たちは丁重に勧められた。

 どこか坂口を崇めているようにも見えた。

 そして、広間にいた一人の男が坂口にどこか皮肉を込めた口調で言ったのである。

 短髪の金髪で、目が鋭い人物。背も高く、どこか全身から威厳のような風格も醸し出していた。

 それでも坂口を見て、嬉しそうに見えた。

 ただ、ここが私たちの世界じゃないんだな、と改めて痛感させられる。

 この人物も、制服のような整った赤い服装をしていたけれど、この人物も腰に剣を下げている。

 武器を持っているのは当たり前なのか。

 この広間に着くまで、私は周りの光景に圧倒されていたけれど、坂口はまったく動じず、金髪男の皮肉にも、笑って受け流していた。


 普段と違い、生き生きとした様子で。


「僕だって、こうも早く帰ってくるとは思わなかったよ」


 腰に手を当て、嬉しそうに話す坂口。

 この金髪男はどこか高圧的な印象もあったけれど、坂口と気さくに喋り、大口を開いて笑っていた。


「ルーン、うるさいわよ。外まで丸聞こえ」


 金髪男の笑い声が響くなか、突き通る女の一蹴が広場に木霊した。


「ーー遥香?」


 誰? と首を傾げていると、急に美月の声が届く。

 声に釣られ、振り返った。


「ーー美月っ?」


 振り返ると、広間の入り口から数人の姿があった。

 そこに美月。それに圭一と幸太郎の姿があった。

 美月が私に気づいて、こちらに駆け寄ろうとしたが、美月らのそばには体格のいい二人の男がおり、互いが手にした槍を構え、美月の前で×印を作るように塞いだ。

 美月は目の前の槍に驚愕し、面食らって体を強張らせた。

 よく見れば男らも兵士らしく、険しい表情で塞がっていた。

 それによく見れば、美月ら三人は手を縄で縛られている。


 まるで罪人扱いされているみたいに。


「にしても、本当に彰がいるなんて驚いた。で、私のことは覚えてるの?」

「まあね。お前も変わらないな、テレサ」


 気さくに返す坂口。女は何度か頷いて溜め息をこぼした。


「ま、そうなるわね、あなたの場合は。にしても、ルーンは騒ぎすぎ」


 美月らの先頭に立っていた一人の女が呆れて吐き捨てた。

 坂口の反応からすると、“テレサ”らしいけど。


 それにしても、すごい人。


 すごくスタイルのいい人だった。

 金髪男と同じ赤い制服を着ているけれど、服の上からでもわかるスタイルのよさだった。

 それにこの人も、ブロンドの長い髪が綺麗で、青い瞳をした人形みたいに整っていた。


「相変わらずだな、テレサも」


 この人も知り合いらしく、気さくに坂口は笑っていた。


「なんなんだよっ、これっ」


 笑い声が充満するなか、一人の怒号が響き、私は眉をひそめた。


 すぐに圭一だと理解して。


「お前、黙れ」


 叫んでこちらに来ようとする圭一を、そばにいた兵士がまた槍で塞ぎ、行く手を塞ぐ。


「なんで、このゴミが自由で、俺らが罪人扱いなんだよ、ふざけるなっ」


 圭一は坂口を睨み、罵声を浴びさせた。

 それまで緩んでいた坂口の表情も一気に強張る。


「おいっ、誰に向かって言っているんだっ。いい加減にしろっ」

「うるせえっ。あのゴミ以外ねえだろっ。ボケッ」


 必死に制する兵士に、さらに圭一は噛みつく。

 そういえば、ここに来るまで誰もが坂口に敬意を払っているようだった。

 空気を読まない圭一にげんなりとしていると、私の前を坂口は横切り、ズカズカと圭一のそばに無言のまま歩み寄っていく。


「彰殿」


 兵士が槍を立て、坂口に敬意払い、道を譲った瞬間、


 急に坂口は圭一を殴った。


 ーー坂口っ?

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