プロローグ
観測史上最高の平均気温42度を記録したそれはもう暑くて仕方がない日だった
「壮史ー?家に戻って涼まない?」
「絶対嫌っ!40度から1度上がるごとに1割も割引してくれるんだよ!?今日行かなくてどーするの!」
壮史というのは俺の弟で小学5年生だ。受験勉強を本気で取り組み始める夏休み真っ只中のはずだが...
本人曰く「休憩も一種の勉強」らしいが俺の弟のことだから何も考えずに言っているだけだろう
因みに俺の名前は...え?興味ない?まぁそんなこと言わずに自己紹介くらい聞いてくれよ
改めて言おう俺の名前は山本壮真だ。
一応言っておくと中学二年生となり後輩もできてそれなりに青春を謳歌している身だ
彼女はいるかって?愚問だなぁ、男子校だよぉぉぉぉぉぉぉぉ!(そりゃあ彼女持ちが同級生で一人も居ないって訳じゃないけど共学と比べて圧倒的に出会いの場が少ないからしょうがないじゃないか)
はぁはぁ...まぁそんな悲しい現実は置いといて
そろそろ話を進めようじゃないか
ミーンミンミンミンミンミン
「ごめんねぇ、かき氷売り切れちゃったんだよ」
「えっ?そんなぁ..」
「そうなんですねー、暑い中お疲れ様ですー」
「いえいえこちらこそこんな暑い中ここまで来てもらったのにかき氷一つ渡せなくても仕分けございません」
そうして暑い中もう一度かき氷屋から家への道のりを歩くことになった矢先
「お兄ちゃん‼上見てーーー!」
「へっ?」
壮史の声が聞こえてから1秒も経たないうちに
「ガンッ」頭に強い衝撃が走った