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郵便屋のロビンとふしぎなおとしもの

作者: 結城暁

 ロビンは森にすむりっぱなしましましっぽがじまんのねこのゆうびんやさんです。きょうもげんきにてがみをはいたつします。

 ぽてぽてみちをあるいていますとふしぎなものをみつけました。

 それはまるくて、つるつるぴかぴかしていて、さわるとひんやりとしていました。

 こおりのようになめらかでしたが、もっていてもとけません。

 あめだまのようにきれいでしたが、あまいにおいはしませんでした。

 おとしものかしら、とくびをかしげてロビンはゆうびんかばんにしまいました。


「こんにちは、きょうのおてがみです」


 おきまりのあいさつをしながらロビンはもりのいえいえをまわっててがみやにもつをてわたししました。

 もりでひろったふしぎなものをみせては、おとしものかどうかをききましたが、だれもかれもくびをふるばかりでした。

 もりのいえいえをすっかりまわってしまい、ロビンはゆうびんかばんをのぞきます。

 かばんのそこにはくばってしまったてがみやにもつのかわりに、いくさきざきでみつけたふしぎなものがはいっていました。

 さいしょにみつけたまるくて、つるつるぴかぴかしていて、さわるとひんやりとしているものとよくにたものをロビンはなんこもみつけたのでした。

 こんなにきれいなものをこんなにたくさんおとしてしまって、おとしぬしはさぞがっかりしているだろうなあ、とロビンはりょうみみをしょんぼりとたれさせました。

 いえにかえったロビンはからのジャムびんにひろったふしぎななものをいれてみました。まどべにおくとほのかにひかってとてもきれいでした。


「さあごはんをたべないと。きょうはなにをたべようかな」


 ロビンがとだなのハムをおもいだしたところで、びんのなかでひかるおとしものとおなじひかりがまどのそとをよこぎっていきました。

 ロビンがびんをもってそとにでますと、ひかりはもりのおくへととんでいきます。

 ロビンはあわててそのひかりをおいかけました。ロビンがはしるたびジャムびんのなかでかちゃかちゃとおとがします。

 はしってはしって、もりのなかをぬけけますと、おおきなひかるきがありました。

 いいえ、いいえ。

 ひかっているのはきではなく、きにまきついたおおきなおおきなへびさんでした。

 ロビンはおおきなへびさんにちかよってくびをかしげしました。へびさんにはりっぱなつのがはえていました。


「へびさん、へびさん。このおとしものは、へびさんがおとしたものですか?」


 ロビンがそうきくとへびさんはゆっくりとかおをもちあげました。おおきなめをほそめてのどをならします。わらったようでした。


「わたしはへびではなくて、りゅうという。そらをとんでいておちたわたしのうろこをひろってくれたんだね」


 ロビンはゆうびんさんでしたから、もりにすむどうぶつたちのことはよくしっていましたが、りゅうさんのことはしりませんでした。ひっこしてきたのかしら、とロビンはジャムびんをりゅうさんにさしだしました。

 りゅうさんはわらって、はなさきでそのびんをぐいとおしました。


「うろこのはえかえわるじきだからね。このごろはそらをとんでいるとよくおとすんだ。よるになるとひかるからランプにでもするといい」


 そうなのか、とロビンはおもいました。りゅうさんにありがとう、といってびんをぎゅうとだきしめました。おなかがくう、となります。

 それをきいたりゅうさんがわらいました。りゅうさんのおなかもぐううう、となりました。

 ロビンもわらって、いっしょにごはんをたべませんか、とりゅうさんをさそいました。

 ふたりはひかるうろこをランプがわりにハムのサンドイッチをたべました。

 それからロビンはよるになるたびひかるうろこのランプをみながらごはんをたべるようになりました。

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