プロローグ
プロローグと第一話までは主人公、アナーヒアちゃん視点です。
初投稿なので、温かい目で…お願いします。
寒い。寒い。痛くて、寒い。
どれくらい歩いたのかも分からない。
気が付いたら、視界は一面真っ白で、震えて赤黒く変色した指先と、真っ赤なボロボロのドレスが目に痛かった。
(嫌い。嫌い。私を追い出したアイツ等も。その隣にいたあの子も。見て見ぬふりする彼女たちも。何よりも…)
「何よりもッ、何も、出来なかった、弱い、私が、大っ嫌い!」
ただ吹き付ける雪の中、かすれて消えたその後悔は、誰の耳にすら届かないのだろう。この、『忘却の森』では。
「…ッ!ゲホッ、コホッ…」
何かに躓き、雪の中に倒れる。もう、立ち上がる力は残っていなかった。
咳の中に、弱々しく掠れた哄笑が混じる。
あぁ、つまらない、意味のない人生だったのだなと。
(もし、叶うのなら。私が私じゃないのなら…暖かい家庭に、生まれたかった。立場なんて、階級なんて気にしなくてもいい、普通の家に、生まれたかった…)
そして、叶うなら。
「まだ、ぃきた…かった、ょ…」
魔女なんかじゃ無い、ただ1人の少女の、ちっぽけな願いだった。
目を閉じる前、真っ白な白紙のような雪の中、ポツンとインクのような黒が、滲んだ気がした。
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