第1章ー1 初めての魔法使い
異世界で一人暮らしを送る事になった魔法使いロゼアは魔法について黙々と勉強していた。
日常生活で使える魔法や戦闘で使える魔法や移動に使える魔法等様々である。
ロゼアは物覚えが速いのか、最初は多少苦労しながらも早くも多くの魔法を習得した。
そして数日後、数種類の魔法を習得して魔法使いらしくなった。
後、ファッションも重視したいロゼアは街へと出掛けた。
所持金には限度があってあまり衝動買いはできないが、様々な商品が目に入ると衝動買いをしたくなる心理が働くようになる。
魔法とは一切関係のない商品……でも今は魔法使いらしい姿に変える為の時間である。
「……やっぱり魔法使いと言うと三角帽子とローブを着た感じだな。よし、これで決まりっと」
悩みに悩んだ結果、ロゼアが購入した商品は、紺色の三角帽子と紺色のローブである。
防具系を買い揃えた所で、次は杖を購入……と思ったがここでさりげなく建物の外に出た。
それからあてもなくフラフラ歩いていると、一人の男性と擦れ違った。
その男性は人目を気にせずタバコをなんと道に投げ捨てた。
それを見て、ロゼアは反射的に魔法を使った。
「(僕は人見知りだから直接声をかけるのはちょっとな……)フリーズ!!」
慌てて魔法フリーズを使ったロゼアはタバコではなく、なんと男性の服の右側を氷付けにしてしまった。
自分のやってしまった事に戸惑いを隠せないロゼアはまごまごしていると男性は振り向いた。
そして、男性の口からはこんな言葉が出た。
「てめぇ……何しやがる!そんな事をするやつなんか……こうしてやる!」
なんと男性も魔法を使ってロゼアを遠くへ吹っ飛ばした。
あまりの飛行速度にロゼアは気を失っていた。
――そして、気がつくと周囲は真っ暗闇である。
それは丸でブレーカーが落ちた建物の中にいるように何も見えない。
「ここは……どこなんだ?僕は死んだのか?」
思わずはっきりと独り言を言ったロゼア。
すると、どこからともなく女性の声が聞こえてきた。
「あなたはまだ死んでません。いきなり強敵に立ち向かうなんて無謀過ぎます。
もう一度チャンスを与えますから、今度はきちんと魔法を使いこなせるようにしましょうね」
「……はい」
自分のした事を深く反省するロゼア。
その後は目の前に魔方陣が現れ、その中に入った先はロゼアしか分からなかった。