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乱入者2

 はぁ……やれやれ。


 男は呆れ果てていた。ここまで品のない者がこのシュタールにいるのか。


 紳士的でない。噂には聞いていたが、ここまで腐っているとは。


 一体彼奴は何を考えているのだろうか。ここまでこの国の品を落として。下らん。何か小難しいことを考えているのだろうが……やはり吾輩とは思想が相容れぬようだな。


 そんなことを思いながら何か行動を起こそうとしたその時。


 彼の視界に影が差す。


「ぬ!?」


 見ると、そこにはまるで何も考えずに突っ込んでくる1人の青年の姿があった。


ーーーーーーー


 振り下ろされる斧を斬りつけて、軌道をそらす。


 斧は初老の男から逸れてドガンという音と共に地面を砕いた。


「何だこのガキ……!」


 突如割り切ってきた乱入者に男は困惑と、そして怒りの声を上げた。


「ふざっけんな……見てりゃあ無抵抗の相手をボコボコボコボコ……」


 ギリリと歯を噛み締めながら、ソウルは声をはりあげた。



「上等だ!だったら俺がこの決闘2つ受け持ってやらぁ!俺が勝ったらここの全員を解放して中に入れてもらうからな!!」



「はぁ!?」


「ふざけんな!何だお前!?お前なんぞが【決闘】?ガキの遊びは外でやりな!!」


 予想通り怒鳴る3人組。


 まぁ、そうだろう。突然蚊帳の外から訳の分からない第三者が飛び出して来ればこんな反応にもなる。


「そもそも【決闘】するなら足りねぇもんがあるよなぁ!えぇ、ガキ!」


 それに、理由はそれだけじゃなかった。


「【対価】がねぇなぁ!俺達がそれを受けるメリットがねぇ!大人しく引っ下がってろ!」


 そう、対価。


 【決闘】を申し込む上で、必要な互いの価値のあるものが今この場には無いということ。


 だが、ソウルにだって考えがある。


「なんでぇ、びびってんのかよ!」


「この……!」


 ソウルの挑発に苛立つ3人組。


「ま、待て待て少年!これは吾輩と彼らの問題……君のような年端のいかない君が出てくる余地は……」


「知らん」


「少年!?」


 ソウルの反応に絶句する初老の男。


「納得いかねぇんだよ!暴力で全部好き勝手しようとするふざけた奴らがな!ほら、【対価】だろ?これでどうだよ!」


 ソウルはゴソゴソとポケットからある物を取り出す。


「な……!」


「嘘だろ……なんでぇそりゃあ!?」


 ソウルが取り出したのは、イーリスト貴族の金品財宝の一部。


 ギドが盗んできてオデットに預けていたそれだった。


「これで足りるだろ?」


「……いいだろう」


 イーリストの金品に目がくらむ男達。


 国外の貴族由来の財宝。ここで売り捌けばとんでもない金になる。そのチャンスをみすみす逃す訳には行かない。


「ただぁし……お前は乱入してきたんだ。俺達の有利な条件でやらせてもらうぞ」


「有利な条件……?」


 ニヤリと笑いながら男は言った。


「3対1だ。お前1人と俺達3人。それとそうだな……」


「お互い……魔法無しだ。それでどうだ?」


 見たところ、このガキ自信があるように見える。


 つまり、そこそこ戦える可能性が高いだろう。


 ならば、互いに魔法を封じる。そうすれば体格差もあるし、3対1で負けるはずもない。


 今更泣いて喚いても取り消しにはさせてやらねぇ。無様に許しをこうがいい!


「上等だ!むしろ願ってもねぇよ」


「どこからどこまでも癪に障るガキだな……」


 それでも自信を失わないソウルを見て男達は苛立った。ならば、お望み通り力でねじ伏せてやる!と、意気込んだ。

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