作戦会議4
「そんジャ、オイラはソウルと一緒にいくゾ」
睨み合うアルとノエルを他所に、フィンがソウルに告げる。
「ゼリルダと接触した時にオイラがいなキャ、交渉できないだろうしナ」
「確かにそうだな」
ゼリルダとの交渉にはフィンが必須。だとすれば交渉するのはソウルだからソウルとフィンは一緒に行動した方がいい。
もしソウルがゼリルダと接触できたとしてもフィンがいなければ意味がないのだから。
「それじゃあ……僕らはレイ達のところに行こっか、エリオット」
全体の配置が決まってきたところで、ヴェンが隣のエリオットに問いかける。
「そうだね……」
ムッスーと膨れ上がったシーナとオデットを見ながらエリオットは何やら考え込むような素振りを見せる。
「私がうまく間を取り持ってあげなきゃいけないかも知れないね」
「ゔぇ、ヴェン……!エリオット……!君達は救世主だ……!」
涙を流しながら感動の涙を流すレイ。
うーん……一体あそこのチームでは何が起こっているんだ?
その光景を見ながら、ソウルはずっと腑に落ちなかった。
ヴルガルド国との同盟を結ばなきゃいけないこの状況だと言うのに、ソウルの心は別のことに気を取られている。
この胸のざわめきは何なんだろう。
原因は何か……いや誰かは分かってる。
でも、それが何なのかは理解できなかった。
大切な仲間だから?
違う、それとはまた違った感情な気がする。
似たような経験も……あった気はする。けど、それとはまたどこか差異を感じるんだ。
正直、今は考えたくもないんだよ。お前のこと。ムシャクシャするんだ。
それなのに……そうだと言うのに。俺はお前のことを目で追ってしまってる。
その一挙一動に心を掻き乱されながら。翻弄されている俺がここにいた。
誰か教えてくれよ。この気持ちは何なんだ。俺は一体どうしてしまったってんだ。
『ソウルさんってシーナのこと、好きなんですか?』
モニカの言葉がソウルの頭をよぎる。
まさか……そうなのか?
ずっと考えないようにしてきたけれど。どこか無意識的に意識しないようにしていたけれど。
俺……まさかシーナのことを……。
ソウルがそう思った時。心の奥の鉛が少し軽くなったような気がした。




