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間章

 深い水の底で、フィンはソウルに言った。


「あのノーデンスの水の鎧を剥いで、オイラの一撃をぶち込ませて欲しいんだ」


「お前の一撃を?」


 互いに水中眼鏡を交互に口をつけながらソウルとフィンは意思の疎通を図る。


「あァ。多分、ノーデンスの水の膜さえ何とかなるんなラ、オイラの雷の攻撃が通るダロ?それさえ通れば一撃でアイツを仕留め切ってみせル」


「……」


 自信満々に告げるフィン。


 正直、果たして本当にそうなるだろうか?


 そんな疑問が頭をよぎった。


 けれど、フィンの右手に収束するエネルギー。その圧倒的な高密度のマナにソウルは確信した。


 確かに、これ程の威力ならあいつをぶち倒せるかもしれない。


 ここまでフィンが自信満々に言うんだ。きっとうまくいく。


「分かった。やってみよう」


「イヒヒ!ありがとナ、ソウル」


 満面の笑みで告げるフィン。


「だガ……後はどーやってノーデンスの懐に入り込むかだナ。自分で提案しといて何だが、オイラの必殺技は水の鎧を再展開される前に奴の身体に触れなきゃならン。どうやって奴との距離を詰めるカ……」


 例え水の膜を破ったとしても、すぐに再展開されてしまえば意味がない。


 つまり、鎧を剥ぎつつ再展開される前にフィンをノーデンスの懐に潜り込ませなければならないのだ。


「……それなら、1つ作戦がある」


 うーん……と頭を抱えるフィンにソウルは1つの作戦を提案する。


「湖面についたら、俺が風の召喚獣を召喚する。そうしたらフィン、お前はそいつの背中に張り付くんだ」


「背中に張り付ク?」


「あぁ。俺のイザナギアは黒いマントを羽織ってる。その中に隠れちまえばノーデンスはお前の存在に気づくことはできねぇだろ?」


 ニヤリと悪どい笑みを浮かべながらソウルは告げる。


「……っ」

 

 ソウルの作戦を聞いたフィンは思わず目を見開いた。


「俺の力じゃ、多分ノーデンスの鎧を剥ぐことはできない。だから、イザナギアにこの黒剣を持たせて戦わせる。所詮人間用の片手剣だから致命傷まで与えることはできないだろうから、ノーデンスは多少のダメージは無視してイザナギアを潰そうとしてくると思う」


 フィンはコクコクと頷きながらソウルの説明に耳を傾けている。


「そこで、俺はイザナギアの召喚を解除。そうすりゃノーデンスの攻撃は空振り、お前は隙だらけで鎧の剥がれたノーデンスの懐にいるって寸法だ」


 得意げに作戦を伝えたソウルはフィンに水中眼鏡を手渡す。

 


「……イッヒッヒヒヒ!ソウル、お前昔イタズラっ子だったロ?よくそんな作戦思いつくナ!」


 

 そして、フィンは水中眼鏡を加えるや否や、ゲラゲラと笑い転げた。


 ひでぇこと言うぜ、いい作戦だろうが。


 ……まぁ、イタズラっ子だったってことは否定しねぇけど。


「おもしレー!乗っタ!!そんじゃあ、任せたからナ」


「おぅ、任せとけ」


 この作戦ならきっと上手くいくだろう。だから後はソウルがうまくやるだけだ。

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