ソウルの魅力
夜が更けて客足が少なくなった頃に店の厨房にいたマルコがまた席へとやってくる。
「ほんと、シーナちゃん明るくなったわね」
そう言いながらマルコはソウルの隣に腰掛けた。
「あぁ。最初はどうなるかと思ったけどな」
ソウルは苦笑いする。
シーナはオリビアとエールを飲みながら楽しそうに話をしている。レイも楽しそうにそれを眺めていた。
「ソウルちゃんのおかげね」
「おれは何もしてねぇよ。みんながよくしてくれたからだし、最後はあいつの頑張りだ」
そう言ってソウルもエールを口に流し込む。
「いいえ、あなたが最後まであの子と向き合い続けたからよ」
マルコはそう言いながら自分で持ってきたビール瓶を口につけた。
「あなたじゃなかったら、きっと今のあの子はいないわ」
「んなことねぇよ」
少し照れ臭さを隠しながらソウルはごまかすように告げる。
「なんて言うのかしらね...。ソウルちゃんは人を惹きつける魅力があると思うの」
「人を惹きつける?」
マルコの言葉にソウルは首を傾げる。
「えぇ。あなたになら任せられる、信じられるような、そんな安心感って言うのかしら。最初シーナちゃんのことをあなたに託そうと思ったのもそれなのよね」
「よく分かんねぇな」
そんなこと、今まで言われたことねぇや。
「そう?でも、ソウルちゃんのそういう所はきっとこれから先あなたの強さになるわ。迷った時も自分を信じなさい。きっと上手くいくはずよ」
「そんなもんかねぇ」
マルコにそう言われてもソウルにはよく分からない。
「そんなもんよ」
マルコはビールをグイッと飲む。
「そんな頼れるソウルちゃん。今日こそは私と一晩.......」
「断固拒否する」
「あん、辛辣ぅ!」
真面目な空気は置き去りにされて、結局いつものやり取りに落ち着いた。




