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酒場にて

「あ!みんな.......ってあれ?」


 酒場で3人を待っていたオリビアは3人の様子がおかしい事に気づく。


「あら!いらっしゃ.......い?」


 マルコもいぶかしげな声を出す。


 3人は城を出た後とりあえずマルコの店で今後の話をすることにしていた。


 どうやらオリビアはそれを察してマルコの店に来てくれていたようだ。


「あんた達.......何があったのよ」


 マルコはため息をつく。


「いや...もう情報がありすぎてついていけないぞ?」


 ソウルは目を虚ろにしながら答える。


「なぁに言ってんのよ。私、酒場の店主よ?そういった相談なんて慣れっこよ」


 マルコは自信満々に告げた。


ーーーーーーー


「せ、聖剣騎士団と一緒に任務ですってええええええ!?!?」


 マルコは眼を血走らせながら叫ぶ。


「し、しかもシーナが聖剣騎士団に入らないか勧誘された!?」


 隣のオリビアも目を見開く。


 そら見たことか。


「へ、ヘビーだわ.......ほんとにヘビーだわ」


 マルコは頭を抱えてうなだれる。


「ど、どう返事したんです!?」


「取りあえず任務終了までは考えさせてもらえるようにしたよ」


 レイはビールを飲みながらこたえた。


「シーナ、どうするの?」


「.......」


 シーナは黙ってパスタの皿を見つめている。


「そうね...確かにシーナなら聖剣騎士団でもやっていけるだけの力はあると思うけど」


 マルコは考え込む。ちなみに、シーナが聖剣を使えることはマルコにも伝えている。


「聖剣って所が厄介なのよね」


「厄介?」


「この国では聖剣を神聖視する伝統があるのよ。聖女様が18歳であれだけの権力を持つ事になるほどにはね」


「え、聖女様って18歳なのか!?」


 ソウルは絶句した。


「ええ。何なら聖剣騎士団の発足は彼女が14の時だったはずよ。確かジェイガン様とハミエル様との3人で.......だったかしらね」


「と、とんでもないな...」


「当然他の騎士団との軋轢もあっただろうし、聖女様自身、本当になりたくて今の地位に立っているのかも疑問なところね。周りからの圧力もかなりあったはずよ」


 ソウルの想像以上に大きな話になっていく。


「.......私、ここにいていいのかな?」


 シーナはぽつりとこぼした。


「このチームに私がいると...みんなに迷惑がかかる気がする」


「「バカ!」」


 ソウルとオリビアは同時に椅子から立ち上がる。


「シーナの人生はシーナのものよ!?それに私はシーナがどこかに行くなんて、いや!」


「おれらのことは気にすんな!お前がやりたい様にやればいい!シーナがここにいてくれる事で迷惑なんか、かかんねぇよ!」


 ソウルとオリビアは必死に告げる。


「全く、2人とも慌ただしいなぁ」


 レイはやれやれと言った様子で続けた。


「シーナ、ぼく達はもう仲間だよ?君がぼく達を心配してくれるのと同じでぼく達もシーナのことが大切なんだ。だから君の意志を尊重したい。自分がどうしたいかを考えてみて欲しい」


 レイも優しく微笑みながら告げる。


「みんな.......」


「まぁ、どのみち返事は任務が終わるまでにすればいいんだから今は美味しくご飯を食べなさいな」


 マルコはシーナにウィンクする。


「.......うん!」


 シーナは笑顔になり、そしてマルコの料理に舌鼓を打つのだった。

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