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お守りの首飾り

「ソウル!」


 リュカの馬車に乗り込んだソウルに駆け寄ってくるのは茶髪の髪を揺らすオリビアだ。


「これ……!」


 そんな彼女から渡されたのは小さな緑色の宝石がはめられた首飾りだった。


「これは……?」


「代々私の家系に伝わる妖精のお守り……降りかかる厄災から大切な人を守ってくれるって……!」


 そう言ってどこか頬を赤く染めながらオリビアは告げる。


「……オリビア」


 あの時と同じ。


 ソウルが初めての任務に旅立ったあの時と。違うのは想い。


 本物の想いが込められたそれには、きっと特別な力関係ないんだろう。それでも、その首飾りがソウルの目にはとても輝いて見えた。



「ありがとう……。絶対、無事に帰ってくるから」



「うん……待ってるからね?」


 儚げな笑顔を向けるオリビアの頭を撫でると、ソウルは馬車へと乗り込む。



「さぁ!出発なのぉ〜!!」



「ピィィィィィィィッ!!」



 パメラの呼びかけに応えるように白き巨鳥リュカがその翼を広げる。


 そしてグラリと馬車が揺れたかと思うとそのままグンっ!と重力がかかり、馬車が加速した。


ーーーーーーー


「どうか……無事で……」


 どんどんと小さくなっていくリュカを見送りながらオリビアは一筋の涙を流す。


「大丈夫よ、オリビア。きっとソウルさんなら全部上手くやってくれるはず」


 そんなオリビアに寄り添いながらエヴァは告げる。


「うむ。ならば私達も私達にしかできぬことをやろうではないか!」


 アランはそう言うとブンブンとやる気満々に腕を振り回す。


「うん……そうだよね」


 これから、ソウルは世界のために世界を巡る旅に出ることになるかもしれない。そんな時、何か彼の力になれるように、私も頑張らなくちゃ。


 だって……だって、ソウルは私の仲間で友達で……そしてエヴァの次に大好きな人だから。


「よーしっ!私も頑張るぞー!!」


 晴れ渡る青い空に向かってオリビアは叫ぶ。


 次に彼が帰って来た時は、一緒にその旅路を歩むと決めた。もう待つだけの関係じゃ無い。


 その時のために、私ももっと強くなろう。自信を持ってソウルを助けられるような存在になるために。


 その想いと声はディアナの塔から遠く遠くへと響き渡るのだった。

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