表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
657/1167

エヴァの過去7【飾らない姿】

 一通り話し終えたエヴァは過去を懐かしむように笑う。


「何もなかった私は、こうしてオアシスに来て魔人と戦う為の準備をしてきました。大切な人を……大切なあの町を守りたくて」


「……本当にオリビアとは仲が良かったんだな」


 優しくて、少しお節介で心配性で……。エヴァの話に出てくるオリビアもソウル達が知る彼女そのものだった。


 きっと、ソウル達が一緒に過ごしてきた彼女は飾らない彼女そのものだったんだろう。


「はい。もう私の半身といっても差し支えありません」


 そんな風に笑うエヴァの顔はこれまで見てきた中で1番自然な笑みのように見えた。


「オリビアが来てくれて、私は孤独じゃなくなりました。ペテル様の元でまた精進しようと……決意を新たに頑張っていました。ですが、それも長くは続かなかったんです」


ーーーーーーー


 オリビアがオアシスに来て数ヶ月が経った頃。


 いつものように日々訓練を続けるエヴァに急報が入った。



「ペテル様が倒れた!?」



「えぇ。元々身体が悪かったのです!しかしここに来て急に容体が悪化し初めて……」


 エヴァの世話係をしてくれていたメイドが後に続きながら説明をしてくれる。


 そんな……私の前じゃ、そんな素振り見せたこともなかったのに。


 焦燥に駆られつつもエヴァはペテルの病室に飛び込む。そこには何人ものディアナ教関係者と医者達が暗い顔で床に伏せるペテルを見下ろしていた。


「ペテル様!」


「え…エヴァか……」


 真っ青になった顔でペテルはエヴァの顔を見つめる。


 そんな……思っていたよりも彼の病状は重いように感じた。


「……皆のもの、少し外してくれ。エヴァと2人で話がしたい」


「し、しかし……」


 医者がペテルに物申そうとするも、ペテルは首を横に振る。


 やがて皆諦めたように病室を出ていき、部屋にはエヴァとペテル2人だけになった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ