病室にて
「.......う」
ソウルは暖かな病室で目を覚ました。窓からの日差しが暖かくて心地よい。
枕元を見るとお見舞いの花と果物が置かれている。レイとオリビアからだろうか?
結局あの後、黒騎士はどうなったのだろうか。自分がここにいるということは、宣言通りに去っていったのだろうか。
そんな事を思いながら体を起こす。
「.......う...ん」
すると、ソウルの膝下で銀色の髪の少女が布団に突っ伏して眠っているのが目に入った。
窓からは城下町の賑やかな声が聞こえてくる。
そうか、無事に帰ってこれたのか。街の喧騒と、そこで安らかに眠る少女を見ながらソウルは脱力した。
そして何となく側にあるシーナの銀髪の頭を撫でてみる。
銀の髪はサラサラで触り心地が良く、あれだけ激しい戦いを繰り広げたとは思えないほど小さくかわいらしい頭だった。
「.......何してるの?」
すると突然シーナの目が開き、ジト目でソウルを睨んだ。
「うおぉ!?」
ソウルは驚いて手を離す。
「すすすすまん!」
しまった!?また怒られる!?
「.......別に」
しかし、シーナはプイと目を逸らすだけだった。
.......心なしかしょんぼりしているような?
「...他のみんなは?」
ソウルは何となくいたたまれない気がしたので話題を変えてみる。
「.......結局あの黒騎士、ほんとに何もせずにどこかに行っちゃった。レイもエレナもみんな無事だよ」
「そっか、よかった」
ソウルはほっと息をつく。
そしてことの顛末をシーナは語ってくれた。




