罪の告白
全てを語り終えたシナツは自分を嘲り笑う。
「どうだ……?これが俺の罪。エルフの里を……禁じられた森を滅ぼした挙句、それに関わった騎士達を殺す殺人鬼を生み出したのさ」
「シナツ……」
「俺がお前を拾ったのはな、ソウル」
顔を伏せたままシナツは告げる。
「やり直したかったのさ……シェリーを育てることを失敗した俺が……もう一度召喚術士であるお前を育てることで、自分の罪を忘れたかったんだ」
「じゃあ、修行の期間が6年だったのは……」
「俺がシェリーを連れて旅した期間と、同じだったからさ」
そう。ソウルを育て上げたのはソウルのためなんかじゃない。自分のため。
抱えきれない罪の重さに耐えきれず、現実から逃避するためにソウルを連れていくことを決めた。
だが、きっと俺は選択を間違えた。
結局何も変わっちゃいねぇ。
ただそれは召喚術士のガキを自分の都合に振り回しただけ。
自分がシェリーにしたことを、結局また繰り返しただけなのだ。
だから、ここに来た。
ソウルに全ての罪を伝えるために。ソウルの心を踏みにじったことを、詫びるために。
「悪かった……俺は、俺の都合のためにお前を利用したんだ……。罵ってくれ……全ての選択を間違えて、とうとうこの命さえも失って、全て終わっちまった俺のことを」
煮るなり、焼くなり、なんでも受け入れる覚悟だった。
ソウルの道具として使い壊されてもいい。
だから……どんな言葉も、罰も受け入れる。そのために……。
そんなシナツの罪の告白を聞いて、ソウルは……。
「……まだ、終わってねぇよ。バカ師匠」
そうシナツに悪態をついた。