47/1167
間章
シーナは1人、崖の上で寝転がっていた。
なぜ自分があの時ソウルの前に割って入ったのか分からない。ただ、あの時はそうしないと気が済まなかった。
あの男がソウルを痛ぶるのを見ていられなかったのだ。
「……ダメだ」
本当に、あの男はダメだ。まるで自分が自分で無くなっていくようだった。
胸が苦しい。きっとあの男のせいだ。これ以上一緒にいたらおかしくなってしまう。
あの夜に自分を追いかけてきた時に気持ちが軽くなったのも。裸を見られて羞恥に心揺れてしまったのも。
謝ったりお礼を言われて胸がむず痒くなったことも。あの男と出会ってから私は振り回されてばかりだ。
「……あいつなんなの?」
シーナは頭を抱える。
……なぜ私は今こんなに孤独を感じているの?
きっと気を許してしまえば、道具として利用されて取り返しがつかないことになる。
分かってる。
【ジャガーノート】として生まれてきてしまった以上、私は誰とも共に歩くことはできない。これは宿命だ。
誰かと一緒にいるなんて
「……私には……無理だから」
そこにいるのはただ孤独に震える少女だった。