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間章
「.......」
シャワーを浴びながらシーナはぼーっとしていた。
シャワーは火のマナを貯められた魔石で水を温めて暖かいお湯が出るようになっている。
「.......シャワーなんていつぶりだろ」
今までは水浴びで済ませてきた。シャワーを最後に浴びたのは6年ほど前だろうか。
あの男はどうして私に構うのだろうか。私の力が目的ではなかったのか。
「.......ダメだ」
頬をパンと叩いて意識を切り替える。いつどこでどのようにして自分の身が狙われるか分からない。油断は禁物だ。
警戒を怠らないことを誓いながらシャワー室を出ると、鏡に映る自身の髪と瞳を見つめる。
「.......ねぇ、どうして.......?どうして私は.......」
その時、浴室の扉がガラァッと勢いよく開いた。




