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捕獲

「残念でしたね、シン・ソウル。あなたの負けです」


 コマはソウルを取り押さえながら告げる。


「あなたの大事な彼女は死に、あなたの仲間もイグ様にやられてしまいました。ギドが残した手がかりも処理済みですから助けも来ません。諦めてイグ様に全てを差し出しなさい」


 コマはソウルに絶望を伝えた。これで、これで終わり。全てはイグ様の御心のまま。


「.......まだ、負けてねぇよ」


 だが、対するソウルはギロリとコマを睨む。まだ、負けていない。


「俺の仲間は誰一人としてやられてねぇ。シーナもギドも。そしてガストもレグルスも、お前達の好きにはさせねぇ!」


「だまれぇ!」


 それを見た教徒のうちの1人がソウルの顔を踏みつける。


「とっとと諦めて召喚獣を差し出せ!」


「断る!俺は絶対に2人を渡さねぇ!!」


「貴様ァ!!」


 ソウルを踏みにじる教徒はさらにソウルを蹴る。


「まぁまぁ、待ちなよ。僕の大事な駒達」


「い、イグ様!?」


 振り返るとそこにはイグが立っていた。


 彼の覆面は剥がれ、灰色のボサボサした髪と赤く優しい目がソウルを見下ろす。


 それを見たソウルはその姿がどこかギドに似ているような印象を受けた。


「ソウル君。素直に我々に召喚獣を渡してくれないかい?それで救われる人がいるんだ」


「断る..」


 ソウルは断固としてイグの申し出を断る。絶対に2人は渡さない。この命に変えてでも。


「そうか。なら仕方がないな」


 そう残念そうに告げるイグだがその瞳の奥はどこか楽しげで、まるでおもちゃを見つけた子どものような目をしていた。


「皆、ソウルを牢へ」


「.......っ!」


 そしてイグはそう教徒たちに指示を出す。それを聞いた教徒たちが息を飲むのが彼らの布越しに伝わってきた。


「彼には僕の言うことを聞かなければどうなるのか、という事を身体に教えてやらなくちゃいけないみたいだからね。時間ならたっぷりある。楽しみにしてるんだ、シン・ソウルくん」


「.......」


 ソウルは覚悟を決める。


 どんな責め苦がソウルを待っているかは分からない。だが、必ず耐え切って見せる。


 最悪、この命に代えてでも、2人は渡さない。


 こうしてソウルはイグに捕らえられた。

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