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ソウル奪還作戦開始

「ま、魔獣.......」


「『邪龍』.......って、1級騎士団がいくつも潰されたっていうあの邪龍!?」


 確かイーリスト国の外れに突如現れた魔獣で、多額の懸賞金をかけられていたはず.......!


「その邪龍だよ」


 アマンダはコクリと頷きながら告げる。


「だから、君たちの仲間はそんな化け物の巣にまんまと招き入れられちまったわけだ」


「そ、そんな.......」


 アルは目の前がぐらつく。


 魔獣の恐ろしさはスフィンクスやアイホートでよく知っていた。


 しかも今回の相手は多額の懸賞金までかけられているような化け物だ。それに加えてそいつらの拠点にソウルが連れて行かれてしまっている。


 まさに、絶対絶命だ。


「だから、アルちゃん1人で助けに行こうなんて思っちゃダメ。頼れるものは全て頼るようにしなさい」


 アマンダはそう言ってアルの頭を撫でる。


「大丈夫、きっとあのソウルって子は悪運強そうな顔してたし助けが来るまで持ちこたえられるはず。だからアルちゃんは万全の準備を整えてから救出に向かいなさい」


「.......っ、はいですわ」


 アルは不安をかき消すように力強く答えた。


「でもアル、1つ問題があって.......ソウル達がどこに連れていかれたか分からないんだ」


「それなら安心しな。奴らの拠点があるのは『忘れられた(ロスト・タウン)』だ。奴らに連れていかれたとするならそこしかないよ」


「ほ、ほんとですか?」


 ロッソはアマンダの情報に安堵の息を漏らす。


「店長、どうしてそんなにイグ教について詳しいんですの?」


 しかしアルは驚きを隠せないと言った様子で尋ねる。何故彼女はそんな国家を揺るがすような化け物にこんなに詳しいのだろう。


「いやぁ、別に?喫茶店の店長なんかやってたら色々と情報が入るもんだからね。それだけの話だよ」


 そう言ってアマンダはウインクするのだった。


ーーーーーーー


 アルとロッソは喫茶店を飛び出すとイーリスト城に向かって駆け出した。


「お、おい!どこに行くんだよ!?」


 ロッソはひぃひぃと息を切らしながらアルを追いかける。


「まずはレイと合流します!正直私達だけではどうしようもありません!」


 確か、今日レイは城の方へ用事があると言っていた。聖剣騎士団の所かあるいは先日の任務のことか.......。


 取り敢えず手当たり次第当たってみることにした。


ーーーーーーー


「ほら!アルちゃんは急用で今日は休みだよ!」


 アマンダは長蛇の列に向かって声を上げる。


「あぁん!?だったら何のために俺たちはここに来たんだよ!」


「アルちゃんがいないんだったら帰らせてもらうぞ!!」


 するとアル不在の知らせに行列に並ぶ男達は悲鳴を上げ始めた。


「安心しなって!アルちゃんがいなくてもこのあ・た・し!アマンダちゃんがあんた達をもてなして.......」


「「「「「それはちょっと.......」」」」」


「よぉしてめぇらそこになおりやがれぇぇぇえ!!!!」


ーーーーーーー


「あれ、どうしたのアル?そんなに大慌てで.......」


 アルがイーリスト城にたどり着いた時、ちょうどレイが城から出てくる所だった。


 こちらの事情など露知らず、彼は呑気に手を振っている。


「か、確保ですわぁ!!」


「え?ちょっ!?何!?怖いんだけど!?」


 アルは呑気なレイに飛びかかった。

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