迷惑な奴だよ
「.......はぁ」
「.......すぅ...すぅ」
ソウルはため息をつくと家の扉の前にしゃがみ込んでコクリコクリと舟を漕ぐシーナを見つめる。
あれからずっと後をついて来るシーナをソウルは無視しし続けた。そのうち諦めるだろうとタカを括っていたのだが.......。
「相変わらず、頑固なやつだよ」
ソウルが家に入った後もずっとここで座り込んでしまいこうして眠りこけているというわけだ。夜も遅いし流石にシーナをこのままにしておけない。
「おい、シーナ。起きろって」
「.......ん」
ソウルはシーナを揺するがぐっすり眠り込んだ彼女は一向に目を覚ます気配がない。
「.......仕方ねぇな」
ソウルはシーナの身体を持ち上げる。細くしなやかな彼女の身体は軽く、ふんわりとしている。
普段修羅のように敵と戦う彼女からは想像できない女としての彼女の雰囲気に思わず目を逸らしてしまう。
色々と迸りそうな劣情を跳ね除け、なんとかシーナを布団に運び終える。
「たく、ほんと迷惑な奴だよ」
そう言いながらシーナを布団をかけるソウルが笑顔になっていることにソウル自身は気付いていなかった。