再会
ソウル達が聖剣騎士団の部屋に入るとそこには申し訳なさそうな顔をしたジャンヌがいた。
「すまないな...今日は私のせいで迷惑をかけてしまって」
ジャンヌはとても疲れたような顔をしている。余程騎士団長と顔を合わせるのが嫌なのだろう。
「ほんと、こっちはいい迷惑です!」
ケイラも珍しくプンプンと怒っている様子だ。
「.......」
ハミエルに至っては全身から黒いオーラが溢れ出ている。
「レイにはあらかた伝えているが、今日は神剣騎士団の新しい配下騎士との顔合わせを行う」
「.......お気持ちお察しします」
レイは苦笑いしながら告げた。
恐らく、今回の顔合わせの件も神剣騎士団からの無茶な要求があったのだろう。でなければジャンヌとあろうものからこんな急な召集があるはずがない。
「でも、騎士団長の騎士団に入るほどの配下騎士って一体どんなやつなんだ?」
人のことを言える立場ではないかもしれないが、本来大きな騎士団に配下騎士としてスカウトされるなんて事はなかなかありえない。余程すごい奴なのだろう。
「そうですね。確か噂では魔導学校出身の人らしいですよ?それも中々優秀な人材で、2人の内1人は飛び級して卒業したとか何とか」
「魔導学校を飛び級で!?」
レイはポカンとしている。
確か、魔導学校は本当に才能に恵まれた奴しか入学できない。それを飛び級となると、その力はまさに天才。
とんでもないやつに違いないだろう。
「ええ。凄い子であることは間違いないので、それだけはちょっと楽しみです」
「そ、そんな凄いのと比べられるのは嫌だなぁ.......」
「いや、お前らも大概だけどな」
マリアンヌにボコボコにされたデュノワールが真っ赤に腫れた顔をさすりながらそんな事を言った。
コンコン
そんな会話をしていると部屋のドアがノックされる。いよいよ騎士団長レオンとその配下騎士がやって来たのだろう。
「よし」
デュノワールさんに言われたように普段通りにいこう。無理に気を張ってしまえば逆に変なボロが出るかもしれない。
と言いつつも少し緩んでいた気を張りなおしながらソウルは扉の方に向き直る。
ギィィ.......
そしてゆっくりと部屋の扉が開かれた。
「待たせたな!!聖女ジャンヌよ!!」
すると、ほとんど黄色と言って差支えのない髪色をした長髪の男が中に飛び込んでくる。
歳は20代後半ぐらいで背中に巨大な大剣を担いでいる。
その刃はソウルの身の丈ほどあり、刀身はソウルの胴体ほどの幅があった。
あれがあの人の聖剣なのだろうかとぼんやり眺めていると、その背後に2人の若い騎士が立っていることに気がついた。
あれが神剣騎士団の配下騎士……。
「.......え?」
「っ!!」
その姿を確認するや否や、ソウルの思考が固まる。
かと思った次の瞬間、2人のうちの片方がこちらに向かって駆けてきた。そして。
パァァァンッ!!!
部屋にソウルをビンタする音が響き渡った。




