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任務内容

「ドランクール遺跡調査の護衛?」


「うん。もう既に踏破された遺跡で、危険の無い任務だね」


「.......」


 43班の任務は【ドランクール遺跡】と呼ばれる遺跡で学者達の護衛をする事だった。


「確か、洞窟の中に建造された遺跡だったと思う」


「なんか、すごそうだな」


 洞窟の中の遺跡なんて、まるで物語にでも出てきそうだ。


「出発は3日後の午前7時、西門の前に馬車が止まっているらしいから、そこで待ち合わせしよう」


 レイが今後のスケジュールを淡々と決めていく。うん、ありがたい。


「そうだな。じゃあ今日はこれで解散らしいし、飯でも食いに行かねぇか?」


 せっかくチームを組めたのだ。親睦会もかねての提案だ。


「お、いいね。行こうよ。シーナさんは?」


「.......行かない」


「おいシーナ、せっかくだから行こうぜ?」


 少しは打ち解けて貰わないと、と思いソウルはシーナの肩に手を置いた。


「.......!触らないで!!」


「.......え?」


その瞬間、ソウルの視界がぐるりと一回転。次の瞬間、ソウルの側頭部に強烈な衝撃が走った。


「えぶしっ!?」


 そしてソウルの視界は真っ暗になった。


ーーーーーーー


「まさか、同じ日に同じ人を治療する日が来るとは思いませんでしたよ」


「.......めんぼくない」


 ソウルは医務室でオリビアから治療を受けていた。


「いやぁ、見事な一回転だったよ」


 レイは愉快そうにあっはっはと笑い転げている。


「シーナは?」


 ソウルはレイをジト目で睨みながら尋ねた。


「あの後、すぐにどこかに行っちゃったよ。全く、ソウルが強引に誘うから」


 レイが悪戯っぽくニヤニヤ笑う。


「いや、別に強引に誘ったつもりは.......って、いてててて!?」


 突然オリビアに腕をつねられた。


「そうやって女の子に手を出しすぎるのは感心しませんよ」


 凄く不機嫌そうだった。そうだよな、迷惑かけちゃダメだよな。


「.......ソウルって、朴念仁?」


「何のことだ?」


「レイさん?」


「なんでもないです」


 オリビアがレイに圧をかけ、レイは素直に身を引く。


「でも、ソウルがのびてる間にすっかり遅くなっちゃったなぁ」


「わ、悪かったよ」


 外はもう日が落ちて真っ暗だ。


「オリビアさん。この辺にどこか美味しいお店とかあります?」


 レイはオリビアに話を振る。


「え、えーと.......ありますけど.......」


「よかったら案内して貰えませんか?良ければそのまま一緒に晩御飯でも。手間をかけさせたお詫びにソウルが奢ってくれるはずなんで」


 レイはそう言うとソウルの方を見る。


「そ、そうだな。オリビアさえ良ければ奢らせてもらうけど、女の子だしあまり遅くなるのは.......」


 さっきオリビアに釘を刺されたところだしなぁ。


「い、いえ!行きます!せっかくの機会ですし!?」


 するとオリビアが激しく動揺している。


「すぐ支度してくるので!待っててください!!」


 オリビアはそう言うとバタバタと医務室から出て行った。


 これはあれだな。レイの爽やかスマイルに落ちたな。


「.......邪魔ならおれは帰るけど?」


 ソウルはレイに耳打ちする。


「うん、ソウル、ぜ〜ったいに帰るな。そしてそれをぜ〜ったいにオリビアに言うんじゃないぞ?」


 レイは笑顔のまま告げるのだった。

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