召喚魔法
オリジン・マナはその人間の生命エネルギー。つまりは魂の力。
召喚魔法。
それは大切な者が命尽きる時、その魂を己がオリジン・マナとして吸収し召喚獣へと作り替える魔法だったのだ。
だから魔導霊祭でソウルのオリジン・マナは発現しなかった。
なぜなら、まだ彼の身にはその他者のオリジン・マナが備わっていなかったから。空っぽの絵の具のパレットのように、まっさらで何も無い存在だったから。
だが、今は違う。そこには2つの魂が宿っている。
だからポセイディアの【保持能力】は【自動回復】。だって、彼女の...ガストの力の根源は回復魔法なのだから。
だからバステオスの顔はレグルスと同じ獅子の顔。何故なら、彼が獣人で獣の顔だったから。
全て、全て繋がった。
「は.......はは.......ふははははははははは!!!!!」
「そ、ソウルくん.......」
ソウルは壊れたように笑い出す。ぐちゃぐちゃな感情を吐き出すようにゲラゲラと笑う。
そうだ、つまり俺は自分のせいで死なせてしまったガストを、レグルスを死なせただけじゃ飽き足らず、彼らを召喚獣へと作り変え無理やり戦わせてきたのだ。
俺は.......悪魔だ。...いや、それ以下だ。
「お、落ち着きたまえ!ソウルくん!!」
ヴィクターがソウルをゆする。ソウルの視界がグラグラと揺れる。
「俺は.......俺は.......」
ソウルの目にはもう何の光も点っていなかった。




