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コーラリアの戦い8【最終局面】

 この、火の魔法は.......!?


 ソウルが思考にふけった次の瞬間、1人の影がソウルの前方に着地していた。


 爽やかが似合うサラサラした茶髪に身の丈ほどの大きな大剣。その持ち手には逆さになったドクロがギラリと不気味に輝いている。


「やぁ、ソウル」


 そこにはにこやかな笑みを浮かべて手を差し伸べるレイがいた。


「.......『やぁ』じゃねぇ。来るのがおせぇんだよ」


 ソウルはそんなレイの手につかまりながら毒を吐く。


「いっつも君は1人で突っ走っていくんだから。残される僕の身にもなってくれよ」


 レイはソウルを引っ張り上げながらやれやれと言った様子で告げた。


「仕方ねぇだろ。間に合わねぇかもしれなかったんだから」


 ソウルは投げやりになりながら答える。すると、背後から聞き馴染みのある声が聞こえてきた。


「レイ!そっちは任せんぞ!俺達はリッパー共を掃除する!!」


「後で詳しく聞かせるんだ!ソウル!」


 リッパー達の方にはエドワードとギドが行ってくれた。これでヴェンもアイホートとの戦いに専念できるはずだ。



 本当に、最高のタイミングで来てくれたじゃないか。



「さぁ、行くよソウル。あいつさえ倒せばシーナとアルは解放できるんだね?」


「あぁ。頼むぜ相棒。力を貸してくれ」


 お互いに鼓舞しあいながらソウルとレイは剣を構える。


「2対1かよ!いいぜ上等!これが最終局面だぁ!!」


 イマシュは咆哮し、さらにマナを溜めた。その圧力に空気がビリビリと震える。


 コーラリアを巡る戦いに決着がつこうとしていた。


ーーーーーーー


 リッパー達の中に何か2mほどの大きさの物体が墜落する。


 そしてモニカは自身の革鞄から落としたそれにマナを送った。


「【分霊】に【能】のマナ!踊り咲け!【(ともえ)】!!」


 キリキリキリキリ.......。


 それは能面を被った操り人形だった。


 軋む音を立てて立ち上がるそいつは赤い煌びやかな着物を着て、両手には鉄の扇子を握っている。


 突如現れた謎の物体にリッパー達は動揺しているようだ。


「さぁ、行きますよ!」


 モニカは操り人形を操るように指を動かす。


 ドパァァアン!!


 操り人形【巴】はその鉄扇を振り回すと、激しい爆音と共に周りのリッパー達を真っ二つにした。


「キ、キィィィィ!」


 リッパー達は動揺しながらも【巴】に向かって飛びかかる。


「【煽ち風(あおちかぜ)】!」


 モニカは【巴】に更なるマナを送ると鉄扇は面妖な輝きを放つ。そして【巴】が鉄扇を振り抜くと同時に辺りに旋風を巻き起こした。


 ブォォン!!


 うち放たれた旋風はズバズバとリッパー達を八つ裂きにしていく。


「す、すごい.......」


 ヴェンは思わず見惚れてしまう。こんな魔法は見た事がない。モニカは一体何者なんだろう?


「ヴェンさん!シマシマカマキリ達は私達で何とかします!あなたはあのでかいのを!!」


「まだ諦めてなかったのか.......」


 ヴェンは苦笑いしながらもアイホートと対面する。後ろは任せられる。だったら僕がやらないといけないことは.......!


「お前を倒すことだけだ、アイホート!」


 ヴェンはアンサラーを握りしめると再びアイホートへと駆け出した。

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