チーム作り
「この中で、3人組のチームを作れ!」
「.......は?」その宣言にソウルは絶望した。
ソウルは魔法が使えない。正確には召喚魔法は使えるが人前で使えるものではないため、使えないのと同じだ。
そんなソウルにとって、この状況は地獄だった。
試験に合格できたのは魔法の力が強い元々貴族出身の者が多い。そして貴族は庶民を見下している傾向がある。
根っからの庶民であるソウルはその時点ですでにハンデを負っていた。
それに加えて魔法が使えないとなると、いよいよソウルをチームに入れてくれるような物好きは居ないだろう。
「やばいやばいやばいやばい!」
慌てて周りを見渡すが、元々仲の良いグループで和気あいあいと話をしているような状態だ。仲の良い者同士で次々とチームが完成していき、みるみる人がいなくなっていく。
まさか、騎士になったその日のうちに騎士の称号を失う.......?そんな草の生えない笑い話はごめんだ!
「あ、あの」
近くのまだチームに入れていない魔法使いに話しかける。
「あー.......えっと、ごめんなさい。あの人から声をかけられてー.......」
周りに誰もいないのにそんなことを言われてかわされた。
その後も3人ほどに声をかけるものの、華麗にかわされていく。
いよいよ終わりかと思い絶望していると1人、柱の影にポツンと壁にもたれかかっている人影を見つけた。
その髪は長い銀髪で顔はよく見えない。だが、確か試験の時に見かけたような気がする。
「て、手当たり次第だ.......!」
ソウルはそいつの方へ歩を進める。その時だった。
「あ、あいつはやめといたほうがいい!」
突然近くにいた緑髪の魔法使いに腕を掴まれた。
「な、なんだよ」
「あの女.......【破壊者】だ」
「【破壊者】?」
「知らないのか!?銀髪に深紅の瞳.......。化け物だぞ!悪いことは言わない。ぼくのチームに入れてやるから、な?」
見るともう既に男のチームにはもう1人集まっている。ソウルが入れば晴れて3人組の完成だった。
「.......」
ソウルは柱にもたれかかっているそいつに目をやる。髪の下から鋭い深紅の眼光がこちらを睨んでいた。
「.......悪い。せっかくの誘いだけど、遠慮しておくよ」
ソウルは男の手を振りほどくと柱の方へと歩いていく。
「あぁ!ぼくは忠告してやったからな!!」
男の声が聞こえるがソウルは無視することにした。




