リッパー
覆い被さるように迫り来る化け物たちを薙ぎ倒し、森を一気に駆け抜ける。
やがて、前方が明るく開け青い壁のような結界がソウル達を出迎えてくれる。
「見えたぞ!結界だ!」
「みんな走れぇぇぇぇ!!」
そしてみんなで倒れ込むように結界の外へと飛び出した。
「っ!はぁっはぁっ!ぬ、抜けたぞ!」
エドワードは倒れ込みながら告げた。
「ほ、ほんとにっ、これ以上は来れないみたいですね」
モニカは来た道を振り返る。
「キィィィ!」
「ギャオオオオ!」
そこには森の入り口でこちらを睨む化け物たちの群れがいた。
青い魔石を境にこちらに来ないところを見ると、結界が正常に働いているのだろう。
「.......取り敢えず、こっからコイツら潰しとくか」
「そうだね。少しでも数を減らしておけば後々楽になるだろうし」
そう言ってギドとレイはそれぞれの武器を構える。
「なぁ、こいつら名前決めねぇ?化け物化け物って何か呼びにくいし」
ソウルもよっこらせと立ちあがりながら皆に聞いてみた。
化け物化け物って呼びづらいし、複数の化け物が出ると聞いている。だったらこの鎌を持ったような形状の化け物に名称をつけておけば今後役に立つかもしれない。
「ふむ、確かにそうだな」
エドワードは顎に手を当てながら考え込む。
「はい、では【シマシマカマリキ】でどうですか?」
そんな中、モニカが自信満々に手を上げる。
「「「「.......」」」」
いや、確かに縞模様でカマキリみたいだけれども。
「.......他に候補がなければ【シマシマカマリキ】で構わないですよね?」
モニカは圧をかけるようにじっとこちらを見つめてくる。い、いや...さすがにその呼び方はどうかと.......。
他のメンバーもあまりのネーミングセンスの無さに思わず言葉を失ってしまう。
すると、それを見かねたアルが苦笑いしながら口を挟んだ。
「で、では【リッパー】でどうです?」
「「「【リッパー】でいこう」」」
「なんでそんな一致団結してるんですか!?」
モニカの悲痛な叫びは聞こえなかったことにした。




