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誰に頼もうか

「.......とは言ったものの」


 ソウルは1人腕を組んで考え込む。


 1人で剣の腕を磨くのには限界がある。イメージトレーニングだけでは流石に応用がきかないだろう。


 誰かと模擬戦をするのが1番早いのだが...。


「誰に頼もうか」


 パッと頭に浮かぶのはレイだ。しかしレイはどこに住んでいるのか所在が掴めない。というか、流石にそろそろレイの拠点について聞いておくべきだろう。


 いつも何だかんだではぐらかされてしまうので、今度こそは確実に聞いておこうと心に誓った。


 あと残りはシーナとアルだが...。


「し、シーナだと身体的な差がありすぎるかな...」


 ソウルは苦笑いする。


 ジャガーノートの身体能力には流石についていくことはできないしシーナがその辺り上手く手加減できるのかという問題もある。


 加減をミスって任務直前に大怪我などしようものなら元も子もない。


 となれば、アルに相手を依頼するのが妥当だろう。


 彼女の家は分からないがバイト先なら知っているし顔を出してみようか。それにもしかするとあの4人の子どもたちにも会えるかもしれない。


 こうして早る気持ちを抑えつつ、ソウルは家を出た。


ーーーーーーー


「.......相変わらず大行列だなぁ」


 アルがバイトする喫茶店は今日も彼女のファンで行列が出来上がっていた。


 とりあえず今は店が終わったら相談がある旨を伝えることができればいいのだが、これでは中のアルに声をかけるのも厳しそうだ。


「あれ?どちら様?」


 何とか忍び込もうと考えていると後ろから不意に声をかけられる。


「ん?」


 振り返るとそこには肩ほどの長さの黒髪をした少女が立っていた。目は少し鋭めで瞳の色は紫。かわいらしい風貌をしている。


「何かうちの店に用?」


 少女はこちらを伺うようにソウルを見上げながら問いかけてきた。


「あぁ、ここで働いてるアルって奴に用があって来たんだけど...忙しそうだからどうしたもんかなぁって思ってさ」


 ソウルは頭をかきながら告げる。


 うちの店っていうことは、この子もこの店のバイト仲間か何かだろうか。


「ふーん、アルちゃんに用事...ねぇ」


 ん?なんかこの子の目が不穏に光ったような?


「ねぇねぇ、じゃあアルちゃんに会わせてあげよっか?」


「ほ、ほんとか!?」


 すると目の前の少女はにっこりと笑いながら助け舟を出してくれる。


 ありがたい。正直並んでたんじゃあどれだけ時間がかかるかなんて分かったもんじゃなかった。


「んじゃあ、こっちおいでよ」


「ありがとう!」


 ソウルは少女に連れられて店の裏口へと回るのだった。

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