宴会
「なぁ、おれたちこれから一緒に酒場に行くんだけど、よかったら一緒に行かないか?」
作戦会議が終わった後、ソウルはギド達に声をかけた。
「お、いいねぇ」
「そうだな。ぼくも是非ご一緒させてくれ」
「でしたら私も一緒に行きましょう」
「も、もし邪魔じゃないなら.......」
47班のメンバーも快く受け入れてくれたのでみんなでマルコの店へと向かうことになった。
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「いらっしゃい。あら、今日はえらく賑やかね」
店に辿り着くと、マルコがいつものように出迎えてくれる。
「ちーっす」
「こんばんは。失礼しますね」
「こ、こんばんは」
「ひぃ」
47班の面々はマルコに対してそれぞれの反応を見せる。まぁ、マルコの見た目ではそんな反応にもなるかもしれない。
「オリビアちゃんはもう来てるから、行ってくるといいわ」
マルコはウィンクしながら告げる。
「サンキューな」
「あぁん。お礼ならベッドの上で.......」
「さぁみんなこっちだ」
「せめて突っ込んで!?」
マルコの悲痛な叫びを背中で聞きながらソウル達はオリビアの待つ奥の席へと向かう。
「あ!みんな!...と、あら?」
いつもの茶髪に白いバンダナ、そして動きやすそうなスカートを履いたオリビアが店の奥から顔を覗かせる。
「あぁ、次の任務で一緒になることになったんだ。オリビアにも紹介しとこうと思ってさ」
そう言ってソウルは4人を招き入れる。
「お、あの時の受付の姉ちゃんじゃねえか!おれはギド」
「モニカです」
「ほ、ほんとだ!えっと、ぼくはロッソです」
「えぇと...エドワードです」
すると、エドワードが複雑な表情をした。
あぁそうか、あの時ソウルを踏み台にしようとしていたことを知っているオリビアを目の前にして気まずさを感じているのかもしれない。
「ギドさんは覚えてます。良くも悪くも目立ってましたから...。エドワードさんもお久しぶりですね」
オリビアは明るい笑顔で4人を迎える。
「そ、そうだね、久しぶりだね」
エドワードは動揺を隠そうとするがオリビアにはお見通しのようだった。
「エドワードさんも、特に後ろめたいことは思わないでくださいね」
「い、いや...しかし.......」
「こうしてソウルさんが連れてきたってことはエドワードさんも悪い方ではないと思いますし、2人で折り合いもついたはずなのでエドワードさんが何か後ろめたさを感じることは無いです。だから気兼ねなく過ごしてください」
「.......ありがとう」
オリビアの言葉にエドワードは安心したような表情を見せる。流石オリビアだ。
「おいおい、なんだよ?気になるじゃねぇか。おれたちにも何があったか教えてくれよ?」
そのやり取りを見ていたギドがニヤニヤしながらエドワードの肩に肘を置く。
「い、いやあれはぼくの黒歴史で.......」
「実はな、エドワードが.......」
それを見たソウルは悪戯っぽい笑みを浮かべながら過去の出来事を語り始める。
「そ、ソウル!?やめてくれないか!?」
「あはは、今日は賑やかになりそうだね」
そしてレイも楽しそうに会話に加わる。
こうしていつもより少し賑やかな宴会が始まるのだった。




