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試合開始

「うおおおおおおおお!?」


「ほらぁ!さっきまでの威勢はどうしたぁ!?」


 開始早々、ソウルはフィールドを逃げ回っていた。


 エドワードの手から風の渦が出現し、次々にソウルへと飛来する。


 それはコロシアムの壁を抉り、綺麗な円の跡を残していく。


「くっそ、よりによって【トルネード】かよ!?」


 ソウルは悲鳴を上げる。


 【ファイアボール】などの単発魔法であれば、距離を詰めて行くことが出来るのだが、【トルネード】は、広い範囲への攻撃を得意としており、打つだけでソウルが近づく隙ができない。


 そして、エドワードはソウルに接近の隙を与えないようにそれを次々に連発していた。


「ちゃんと考えて魔法を選んでやがるな」


 この闘技場に身を隠すための障害物はない。これではソウルの攻め方も限られる。しかもそこに広範囲魔法を連続で展開されると完全に飛び込む余裕がなくなってくる。


 エドワードはそこまで考えた上でトルネードの魔法でソウルを追い詰めていた。


 観客は逃げ惑うソウルを笑いながらエドワードに「いいぞ!もっとやれ!」と野次を飛ばしている。


 試合を監督する審判も呆れたように試合を見ており、次の試合の準備を始めている者までいる始末だった。


「.......!なぁ!エドワードよぉ!!」


「なんだ!?」


 ソウルはトルネードが抉った爪痕を眺めながらエドワードに話しかける。


「おまえ、ちゃんと強いじゃねぇか!なんでこんなせこい方法使ってまでおれと戦うことを選んだんだ!?」


「確実に騎士団に入るためだ!!」


 エドワードはさらにトルネードをソウルに放ちながら叫ぶ。


「僕は貴族として騎士団に入団しなければならない!」


「それだけか!?」


 ソウルはまた横に飛んで魔法を回避しながら尋ねる。


「そうだ!それだけが今僕にとっての全てだ!」


 そんなソウルに叫びながらまたエドワードはマナを溜める。


「.......そうか」


 対するソウルは黒剣を抜いてエドワードを睨む。


「だったら...おまえはおれには勝てねぇよ」


「はっ、逃げ惑うだけのお前に何が出来る!?」


 エドワードはさらにトルネードを放ち、ソウルをフィールドの端へと追いやる。逃げ道さえ無くしてしまえばソウルに勝ち目はない。


「しまっ」


「僕は、負ける訳にはいかないんだ!!!!」


 【トルネード】。エドワードは今日1番の一撃を打ち込んだ。

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