再招集の朝①
ついに再招集の朝がやってきた。
「さぁて、それじゃあいくか」
ソウルは1人伸びをしながら告げる。
「今回は前みたいなことにならないといいですね」
そんなソウルにオリビアは苦笑いして告げた。
ソウルはいつも遅刻ばかりして迷惑をかけてしまうので、今回はかなり早めに城へと向かっていた。すると城に向かう途中のオリビアと遭遇し、一緒に城へと向かうことにしたのだった。
マルコの店で帰ってきた事を報告した後、3人とも疲労の色が濃くすぐに帰ったことや見習い騎士達が一斉に任務を終えて帰ってきたことでオリビアの仕事が忙しく、なかなか会うことができなかったので積もる話はたくさんあった。
「本当に、サルヴァンといい、ドランクール遺跡といい、見習い騎士の仕事の範疇を超えてますからね?」
「まぁ...間違いないよ」
ソウルもそれは自覚している。
今回のサルヴァンでの任務の内容を尋ねられたので簡単にかいつまんでオリビアに説明した。
ソウルがビーストレイジに連れ去られたあたりでオリビアの顔色が悪くなり、スフィンクス復活のあたりではもう頭を抱えていた。
「きっと、無茶しちゃダメだって言っても無茶するんですよね」
「まぁ...それで助けられる人がいるなら.......」
「.......そういう所が好きなんですけどね」
「何か言った?」
「何でもないですよ?」
オリビアはにこにこしながら答える。
「ただ、あなたの帰りを待っている人がいるってことは忘れないでください。あなたが帰ってきてくれるだけで救われる人もいるんですよ」
オリビアは上目遣いでソウルの顔を見る。そのかわいらしさに思わずソウルは顔が赤くなる。
「.......あぁ。分かってる。気をつけるよ」
「よろしい!では、いってらっしゃい!」
オリビアはソウルのその反応に満足したのか明るい笑顔を向けてくれる。
「あぁ、ありがと!」
そしてソウルは待ち合わせの場所まで駆け出すのだった。
 




