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エピローグ

「ソウル!」


「.......!」


 聖剣騎士団の部屋を出るとそこにはレイとシーナが待っていた。


「ジャンヌ様はなんて!?」


 レイがソウルの肩を掴みながら問いただしてくる。


「.......罰するつもりは無いって。これからも期待しているって言ってくれたよ」


 ソウルはまだ気を緩ませると涙がこぼれそうだ。


「よかった.......」


 レイはほっと脱力していた。


「.......もし、ソウルを処刑するつもりなら全力で阻止するつもりだった」


 シーナの眼光が鋭く光る。


「じょ、冗談だよな?」


 ソウルは恐る恐る尋ねてみる。


「.......」


「冗談だよな!?」


 何も答えないシーナにソウルは思わず突っ込んでしまった。


「ははは」


 それを見ながらレイはいつものように爽やかな笑顔を見せる。


 いつもの見慣れた風景にようやく帰ってきたんだなと、感慨深く思う。


「オリビアとマルコにも顔を見せなきゃな」


 きっと2人も心配してくれていただろう。


「.......うん」


 シーナもこくりと頷いた。


「あー、その前に1つ伝えておかないといけないことがあるんだけど...」


 レイが思い出したように告げる。


「伝えておかないといないこと?」


 ソウルは首を傾げる。なんだ?


「.......出てくるタイミングを見失ったのですけれど」


 そこに響くのはここ最近聞きなれたある少女の声だった。


「アル!?」


 なんでお前がここに!?


「全く、レイも酷いですわ。言い出しにくいったらありゃしません」


 アルはプリプリと怒っている。


「あはは、ごめんごめん。ぼくもソウルの安否が心配だったから」


 レイは全然悪びれる様子もなくケラケラと笑う。


「えーそれでは」


 アルは軽く咳払いをして喉の調子を整えると、小さく敬礼しながら告げた。


「今日からこの私、バンビアナ・アルはこの43班に加入することになりましたわ!」


「え.......」


 ソウルの思考が停止する。


「えええええええええ!?!?!?」


「.......ぷっ、クスクス」


 予想はしていたが、ソウルは度肝を抜かしたような顔をする。思わずアルは顔が綻んでしまう。


 まだ、レグルスを失った悲しみは癒えない。けれど、人間の中にもこんなに素敵な心を持った者もいるということを知った。


 それは、彼女の身体に流れる人の血に対する憎しみを軽くしてくれた。


 目の前のソウルと同じ、人間の血が私にも流れている。これから先はもう少し自分のことが好きになれるかもしれない。


「これからもお世話になりますわよ、ソウル」


 アルは、憑物が取れたような笑顔で笑う。その笑顔は自然で可愛らしく、とても魅力的に見える。


 こうして43班に新たな仲間、アルが加わるのだった。

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