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間章

 ドォン.......。


 上の方で何やら大きな音が聞こえてくる。


「.......なんだろ?」


 シーナはぼーっとしながら呟く。城全体が揺れているような、そんな感覚だ。


 随分時間が経ったような気がする。果たして作戦は上手くいっているのだろうか?


 コツコツ...。


 すると誰かが歩いてくる音が聞こえてくる。


「.......」


 シーナはそっと身構え、現れた人影に目をやった。


「.......待たせてごめんよ。作戦は上手くいった、君のおかげだ」


 ハミエルだった。そうか、うまく行ったんだ。


「.......はぁ」


 安堵感がシーナを包み込み、脱力する。


「だけど、状況が悪くなってるみたいだ」


 だが牢の鍵を外しながらハミエルは深刻な顔で告げる。


「どういうこと?」


「10年前に討伐されたはずのスフィンクスが復活したらしい」


「え?」


 確か10年前に討伐された魔獣だったはず。そんな事があるの?


「それもかつてのスフィンクスよりもパワーアップしてるみたいでね」


 ハミエルは牢から出ようとするシーナに手を差し出すが、シーナは無視して牢から出てくる。


「.......すぐに援護に行こう」


 ハミエルは少し落ち込みながら告げる。


「.......分かった」


 シーナは悪びれる様子もなく答えるのだった。


ーーーーーーー


 シーナとハミエルは暗い階段を駆け上がる。


「上はどうなってるの?」


 シーナは先を行くハミエルへと声をかけた。


「詳しいことは分からない。ただ、誰かがスフィンクスと交戦してる」


 ハミエルは振り返りもせずに答える。


「後はスフィンクスとは別に、厄介なやつがいるみたいだ。ジャンヌ様が交戦しているらしい。僕は先にジャンヌ様の援護に行くからそいつを倒したら一気にスフィンクスを潰そう。シーナは時間稼ぎだけでいい。スフィンクスを食い止めてくれ」


「.......分かった」


 シーナは頷く。


 玉座の間へと辿り着くと、そこには巨大な獅子の体と鷲の翼。そして顔はあのサルヴァン騎士団長の姿をした歪な化け物が暴れ回っていた。


 そしてその周りを数名の獣人たちが翻弄し、その向こうにはかつてドランクール遺跡で見たあの召喚獣。


「.......ポセイディア?」


 シーナは全身に鳥肌が立つ。


 そしてそこには黒い兎の獣人.......いや、1目で分かった。この私が間違えるはずもない。


「何だ?あの魔獣みたいなのは?」


 隣でハミエルが顔をしかめている。


「あれは大丈夫。味方だから」


 そう言ってシーナはマナを溜めた。


「.......全く、今年の見習いたちはやってくれるよ」


 ハミエルはため息をつく。


 聖剣に.......そしてあれは恐らく.......。


「.......我が魂に応えなさい。灼熱の炎を振るい、敵をうち滅ぼさん」


 シーナは詠唱を始める。もう、大丈夫だ。必ずこの危機も乗り越えられる。だって.......。


「ソウルがいてくれるなら、私はなんだってできる!【火聖剣】のマナ!【朧村正】!!」

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