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間章
「だれも、目の前で死なせたくなんかないんだよ!!!!」
目の前の子どもが叫んだその瞬間。男はマナの波動を感じた。
「これは、召喚獣か?」
男はボソリと呟く。
「.......」
そして男は自身の過去とその罪を思い出す。
「ったく、シルヴァのやろう」
そして、昔ながらの悪友に悪態をつくと目の前の子どもを見下ろした。
「そういう事かよ。じゃあこのガキが.......」
少し考えを巡らせる。そして、自身の運命のいたずらを呪った。
「ちっ、分かったよ。逃げるなってことだろ?ここまで来たならてめえの口車に乗ってやるよ」
ため息をつきながら、男は意識を失ったソウルを担ぎ上げる。
「それに.......まぁいいか」
ソウルにかつての自分を重ねながら、男は山の中へと歩き始めるのだった。