表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
134/1167

決断

 時は少し遡り、ソウルとアルが話をしていた頃。


 レグルスは1人、町の外れ...かつてケインとハルが結ばれた獅子の岩の上へと足を運ぶ。


「ソウルは本当にいいやつだ。短い付き合いでも分かる。.......不思議な奴だ」


 人間を信じられなかったレグルスの心を変えたのはソウルだった。あの良くも悪くもまっすぐな青年はレグルスの迷いも晴らしてくれた。


 だったら、もう立ち止まることはない。


 レグルスは獅子の岩の上に立つ。


 獅子の岩はあの頃と同じくサルヴァンの町を見下ろしている。ここからの景色は変わらない。変わったのは町の中身だけだ。


「貴様があのソウルの上に立つ者ならば、きっとお前は信用にするに値する人物なのだろう」


 レグルスは決意を固め、拳を強く握る。


「俺は最後にもう一度、人間を信じる。だから、お前も答えてくれ、聖女ジャンヌ」


 そしてレグルスは右手にマナを込めた。


 かつての友と決別するように、全ての因縁に決着をつけるために。


「これが俺の最後の戦いだ!【メテオブレイク】!」


 ゴッ!


 轟音と共に獅子の岩は崩壊を始めた。


ーーーーーーー


「.......そうか、決心がついたか」


 ジャンヌは崩れ落ちる獅子の岩を見つめる。


「では、私たちも動かせてもらうぞ。この町を救うために」


 そう呟きながらジャンヌは決意を固めた。


ーーーーーーー


「.......」


 崩れ落ちる獅子の岩を眺めながらケインは過去を振り返る。


「な、何事です!?」


 その隣でサイルは慌てふためいていた。


「安心くださいサルヴァン公。大したことはございません」


 ケインはサイルに告げる。


「.......来い、レグルス。機は熟した。おれはこの時を10年待ったんだ。全てに決着をつけるぞ」


 そう呟きながらケインは手のグラスを握りつぶした。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ