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間章

 アルは1人テントの前でうずくまっていた。


「どうして、私はあいつをここへ連れてきてしまったのでしょう...」


 アルの頬を一筋の涙が流れる。


「.......いえ、私が間違っておりましたわ。あの人間はやはり殺しておくべきですわ」


 そう呟きながらアルはすくりと立ち上がりナイフを握りしめる。


 しかし、アルの脳裏をよぎるのは獣人と戦うことに苦悩するあいつの顔。あいつがアルを崩落から庇い血を流すあの光景だ。


 アルの決意がまた揺らぐ。ナイフを握るアルの手は震えていた。


「っ!このっ」


 アルは迷いを振り切るように自分の腕を叩く。


「.......もう、決めたはずですのに」


 そしてアルの心はまた行き場を失い闇に落ちる。


「お母さん.......私は.......私は.......どうすればよろしいんですの?」


 その問いに答えてくれるものは、もういなかった。

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