118/1167
サルヴァンの過去6【誓い】
「.......お久しぶりですわ、ケイン」
「あぁ.......久しぶりだな、ハル」
2人は獅子の岩に腰掛ける。他の者は席を外し、今はケインとハルだけだった。
「.......俺に、娘がいたのか」
ケインはポツリと呟く。
「.......えぇ、もう8つになりました。名前はアルです」
「会いたいな...」
ケインはハルの手を強く握りしめた。
「えぇ、この戦いが終わったら会ってあげてください。あなたと同じ瞳の色をしてますわ」
ハルは微笑みながら告げる。
「そうか、きっとお前のように可愛らしい姿をしているのだろうな」
「わ、私はいいものではありませんけど、アルは本当に可愛らしく育ちましたわ」
ハルは照れくさそうに目をそらす。
「.......お前と愛を誓ったここでまた誓おう。必ず、この町を守ると」
「えぇ、もう誰の涙も流れないように.......」
ケインとハルはあの日のように誓いの口づけを交わすのだった。