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シーナ、告白大作戦2

 オデットとエリオットは逃げ去ったシーナを探して城の中を走る。


「はぁ……はぁ……!全く、どこ行ったのよシーナ……」


「あ、あはは……まさかああなるとは思わなかったね」


 脱兎の如く走り去ったシーナを思い返しながら2人は苦笑いする。


 本当にシーナはあのソウルですら手を焼くとんでもないモンスターなのだと言うことを改めて理解した。


 だが。だからと言って今回ばかりはオデットも負けられない。


 だって、あのソウル兄が覚悟を決めたのだ。そんなソウル兄の為にも放置しておくわけにはいかない。


「ぜっっったい見つけ出してやる……!縛り上げてでもソウル兄の前に引きずり出してやるんだから……!」


「怖い。怖いよオデットちゃん」


 燃える闘志を隠さないオデット。


 だが、あの身体能力だけはゼリルダ並みのシーナをどう捕まえるのか。そもそも彼女はどこへ行ってしまったのか。


「どうしよう。ヴェン達にも探してもらう?」


「うーん、人手が多いに越したことはないけどヴェンは多分今頃ソウルさんの面倒を見てるんじゃないかなぁ……」


 ヴェンの行動を手に取るように把握しているエリオットにオデットはため息をつく。


「……ほんとあんた達2人ってバカップルね」


「えへへー褒めないでよぉ」


 エリオットに皮肉は通じないらしい。


 まぁ本人は幸せそうだし構わないか。


「でもどうしようかしら。あの逃げ足だしこんな広い城の一体どこに行ったのかも見当もつかないし」


「そうね。私達2人で約束の時間までに捕まえられるかどうか……」


 それにただ見つけ出すだけじゃダメだ。流石にできればシーナにそれ相応の準備をさせて送り出せたらなおよし。


 できれば早くに見つけ出してその準備もしたい。


「あーもー!ほんっっとにめんどくさい女なんだからぁ!!」


「でも、意外とシーナのこと気に入ってるのね」


 頭を抱えて叫ぶオデットにエリオットは言う。


「そりゃ、ソウル兄が選んだ人だから!」


「でも、シーナの為に色々頑張ってるじゃない」


「そっ、それは……」


 ソウルと話ができないシーナをソウルの前に連れ出したり、逃げ出したシーナを咎めるのではなくソウルとのデートのために探し出そうとしたり。


 何だかんだでオデットはシーナに対して世話を焼いているように見えた。


「う、うっさいわね!別にいいでしょ私のことは!!とにかく今はシーナを……」


「シーナがどうかしましたの?」


 そんな風に頭を捻っている2人に別の誰かが声をかけて来た。


 その声を聞いて、オデットとエリオットの背筋が凍りつく。


「あ、アル……」


 そこにはシーナと同じくソウルに想いを寄せる兎の獣人が腰に手を置きながらオデットとエリオットをじっと見つめていた。

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