ソウル、告白大作戦4
徹底的に小屋を磨き上げたソウルは飼育小屋の中でぐったりと倒れ込んでいた。
「はぁ……はぁ……終わった……終わったぞ……!」
「すんごーい。こんなに綺麗になるなんて!ソウルに頼んで正解だったわ。次もよろしく!」
「次からはちゃんとお前がやれ!」
ここまで綺麗にしたのだ。あれだけ酷くなる前に定期的に掃除をすればこの小屋も綺麗に保てるだろう。
「グルル」
「お、おお?どしたどした?」
すると、小屋にいたドラゴン達が首を伸ばしてソウルに擦り寄ってくるではないか。
「あっはは。何だよくすぐったい。よしよし分かった、分かったから!」
「あー!こらー!何あたい以外に尻尾振ってんのさー!あんた達はあたいのドラゴンでしょー!?」
ソウルに懐くそぶりを見せる自身のドラゴン達を見てポピーはキーキーと声をあげて怒る。
そんなポピーを一瞬見上げたドラゴン達は……。
「「「「「「ふん」」」」」」
「あぁーー!?!?今鼻で笑った!?うっそだぁあ!そんな子に育てた覚えはないのにいいい!!!」
ポピーに呆気なく愛想を尽かしていた。
「ぐぬぬ……!おのれソウルめ!まさかあたいのドラゴンを奪うのが目的だったとはぁ!」
「違うだろ……」
ポンポンとドラゴン達の頭を撫でながらソウルは苦笑いする。
「お前がちゃんとこういう面倒な世話もしないで放ってるからだ」
「うぐっ……」
ソウルの言葉を聞いて頷くドラゴン達。
「お前はドラゴン達の主人なんだから、これからはちゃんとしてやれよ?いいな?」
「で、でもぉ……ポピーちゃんは綺麗好きだしぃ……」
「よし、お前ら。もしこれからポピーが世話をサボったら容赦なく食っていいからな。俺が許す」
「ぐはぁっ!?嘘嘘!分かった分かった!これからはちゃんとやるから!!」
不穏な空気を醸し出す愛龍達に恐れ慄きながらポピーは必死に命乞いをした。
「よし、ならいい!」
「はぁ……全く。ソウルって意外と手段を選ばないよね……」
「これに関してはお前が悪い」
そんなことを言い合いながらソウルはポピーから聞きたかったことを聞き出すことに成功する。
「よし、次は服だな……」
次にソウルが向かいたいのは服を売っている場所。
これまで着てきた服はもうボロボロだし、シーナに改めて話をするにしても少しは綺麗な格好をしていたいと思う。
「あー。おしゃれならカミラが色んな店知ってるかも」
「お、本当か!じゃあ次はカミラんとこに行ってくる!」
「おー、いってらー」
カミラなら産業区で復興作業にあたっていると聞いた。産業区に行けば会えるだろう。
ポピーの言葉に後押しされながらソウルは産業区の方へと走っていった。
「……………………あ」
そんなソウルを見送りながら、ふとポピーは思う。
ソウルって今、シーナとのデートの準備やってんだよね?
「……………………ま、なるようになるか」
色々と考えてみたが、面倒ごとはごめんだ。
なるようになるだろう、とポピーは思考を放棄することに決めた。